転生したら魔王軍の1番したっぱでした。無理ゲーです。
まめでんきゅう–ねこ
第1話 人気ない奴に転生しちまった
俺、
毎日毎日、わけわからん授業で、頭が引火しそうだ。
それに、今日はクソだるい体育祭。なんて日だ!
俺みたいな陰キャを応援する人なんているわけがなく、足の速いモテる陽キャのイメージをただアップさせるための捨て駒にすぎない。
毎年俺はビリだ。決して俺が遅いわけではない。周りがマジで化け物しかいないんだ。
言い訳に聞こえるかもしれんが、事実、俺は体力テストでは、他校だとかなり成績が良い。
だが、うちの学校ではどうだ?
俺はかなり下位の方にいる。チクショッ!
まぁ、嫌味を言ったって、体育祭には出なきゃならんのだがな。だるい。
「聡〜。そろそろ起きてこい〜」
親が呼びかけている。そうだ、まだ自分の部屋にいたんだ。
急がないと遅刻する。
食パンを急いで食べて、リュック背負って、自転車ギア5で乗って、猛スピードで向かう!
幸い誰も通学路にいなかったため、遅れることなく学校に着いた。
後ろのドアから教室へ入る。俺の席は1番後ろの1番窓側だ。
朝のホームルームが終わり、授業が始まる。
「つーまーりー、このeiπ=-1は、美しいというわけなんですね」
先生が趣味の話を混じらせながら、数学の授業をしている。
はっきり言って、何言ってるかよくわからん。
俺の頭が悪いのか、先生の教え方が悪いのか、計算式を作った人が悪いのか。
いや、計算式作った人は悪くないか。
けどまぁ、結局わからん事には変わらん。
俺は、こういう授業で暇になった時、ハサミとかホチキスとかの文房具を怪物に見立てて遊ぶ癖が、昔からあるのだ。
ハサミを無駄に開閉したり、ホチキスも開閉したり、道具箱を開閉したり。
「んで、ここがこうなってああなってどうなってそうなってこーなりやす。
……………おい、聡聞いてっか?」
先生が俺が遊んでいることに気づいたようだ。
「え、あぁはい!」
「本当か〜?……あ、蜂!」
突然教室に蜂が入ってきた!
「食え!チョークマッスルアタック!」
先生がチョークをぶん投げた!
次の瞬間、俺の目の前に、チョークが飛んできた!
ビュンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!
ズドォォォォォォォォォン
ん?ここは………どこだ?
白い空間で…………病院か?
………特に痛みはない。なら良かったが。
「こんばんわ〜〜〜!」
⁉︎……先生か⁉︎
辺りを見渡してみると、謎の女性が立っていた。
「せ、先生?」
「んなわけないだろって、ってか、君、まず自分が置かれている状況が理解できないようだね。
私は異世界転生してくる人を管理する管理人です。以下お見知りおきを〜。
君はチョーク投げられて、顔面強打してやられました。犯人は君の教師。
まぁそんな事はさておき、君の異世界転生先を決めなきゃならんのよ。
なんか希望ありますか?」
めちゃくちゃ早口だ。
「え、異世界転生?」
「そう、異世界転生。こことは別の世界に転生する事。
君も知ってるでしょ?」
異世界転生ものの小説やアニメは、よく見る。
しかし、まさか自分が異世界転生するとは…………。
「えっと、特に希望はないっすね」
「そーですか。じゃあ、こっちで勝手に決めるね。
はい、じゃあ魔王軍の1番したっぱね」
は?
「え、チート能力とか……は?」
「えっとね、その選択肢を希望する人が増えてきてね、管理が大変なんだよ。
君はなんの希望もないから、転生する人が少ない魔王軍の、特にしたっぱに転生させてもらうよ」
確かに魔王軍の、しかもしたっぱって、人気なさそうだが。
よりによって俺⁉︎⁉︎⁉︎
「じゃあ良き異世界ライフを!」
「ちょ待っt」
次の瞬間、周りの風景が真っ白になった。
はぁ、これからどーなんだろ。やはりしたっぱなのかな?
魔王側につくなら、どうせなら魔王。
せめて幹部とかにはなりたかった。
まぁ、希望をちゃんと言わなかったのが原因なんだろーな。
だるっ。
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