向日葵

ジャックと豆柴

ひまわり

沈み



沈み



沈んでゆく



揺れ動く光を見つめ


届かなくなるほどに



深く



深く



我が身一つも浮かせられずに


暗く落ちてゆく



「あぁ、また見えなくなってしまう」


慣れは恐ろしい


彩りや充実を奪う



変わらない安息に浸かってしまえば


抜けられなくなってしまう


呪いのように



昨日まで輝いていた街並みも


お気に入りの喫茶店でのひと時も


褪せていく



どれだけ褪せた世界でも


花はいつも綺麗に咲いている


私もそんな風にいられるだろうか



向日葵は


凛と立つ貴女だけを見つめる



赤い薔薇は貴女に向ける想い

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向日葵 ジャックと豆柴 @matsudamen

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