1年 第2学期 5週目

 

 3月19日



 ある授業が、終わり老師Lǎoshīが教室を出た後、部屋の中ではブーイングの嵐が巻き起こった。

 何でって?抜き打ち小テストをいきなり渡されたからだ。私は言わなくても悲惨だけど同級生たちもこの飛び交う言葉の内容を聞けば私と大差ないのかも?いや私よりましか0点の確立ありだしなぁ……みんなが何話してるかは、察してね……因みに2学期が始まり一通りの授業をしているとなんとなく分かってくる。このクラスでこの管理学の老師Lǎoshīはとても良く思われていない……私語や居眠り厳禁これはみんな理解できる。自分の書いた著書を教科書として使うまぁこれはあり得ることなので誰も言わないが、問題は授業のたびにちょいちょい出てくる自慢話である。某有名大学を卒業した老師Lǎoshī自身の学生時代を語りだし、自身の主観という目線でこれは簡単だと説明を飛ばしたり、ある日は――


日本Rìběn同學tóngxué你吃過Nǐchīguò河豚嗎hétún ma?【日本の生徒さん。ふぐ食べた事ある?】」

没有Méiyǒu【ないです】」

為什麼wèishéme沒有méiyǒu吃過chīguò?【どうして食べたことないの?】」

河豚Hétún很貴hěnguì所以不是suǒyǐbùshì常吃cháng chī的東西de dōngxī。【ふぐは結構お値段するので日常的に食べるものではありませんから】」


 私は言葉をやんわり濁すように答えたのだが、高校卒業して間もない子が日常的にふぐ料理食べてるわけないじゃん!しかも食べ盛りの子からしたら、くるくる回る回転寿司とか食べ放題の方が魅力的――これは私だけかもだけど、まぁ簡単に言うと先生が身につけている服が基本ブランドもので、ことあるごとに出てくるのが臺灣の人が高いなぁと思うものを一般的なものだと思って話しているところかな?みんな家庭事情は様々だけど、お金持ち自慢されて進んで教えを請いたい生徒はいない。必須科目だからみんな出席してるけど、そうじゃなかったら受けてない子沢山いるだろうなぁと思わせるくらい毎度授業後が荒れてるんだよなぁ~



 3月20日



 夕方私はこの間訪れた。語学学校へと来ていた。友達と夕飯食べて、バイトしてる子たちの後ろについて見学中。みんな私と同じ海外の人だから言葉通じなくても中国語の単語だけで会話で来るんだよね。これ外国人あるある。現地の人からしたら何故盛り上がれるの?ってくらいどうでもいい単語で、話が弾むから面白いんだよ。因みに日本から来ている人たちとは、文化の違いの話で盛り上がったよ~

 見学終わったら道中にあるお店でお夜食買って、寮に戻って勉強勉強!



 3月21日



 今日は下の弟の小学校の卒業式。参加できないからビデオ今度見せてもらうんだ。節目だから行きたいけどこればっかりは、諦めるしかないね。



 3月22日



 眠い。非常に眠い。だが心を鬼にして私は報告書と復習とかを進めている。

 明日からの楽しみに備えて今のうちにやれるとこまでやっとかないと後で悲惨な目に合うのは目に見えてるから今のうちに頑張らないと!



 3月23日



 夕方――


「はる~」

「和音~」

「「久しぶり!」」


 ドラマとかでよくあるノリでハグをする。今日は、高校時代の友人が、臺灣へ遊びに来たんだ。ようこそ異世界へ!

 とりあえず、ホテルへチェックインって私も何気に臺灣のホテル初めてだった。フロントのお姉さんが、私たちが日本人ってことと丁度改装工事を終えたばかりの部屋があって、新しくなった部屋に第一号として案内してくれた。なんかVIP気分で楽しい。部屋に入ればシックな基調の落ち着いた部屋で、2人して声をそろえて自分の部屋がこれなら良いのにって言っちゃったよ。

 荷物を置いて、寧夏Níngxià夜市yèshìへと向かった。


 寧夏Níngxià夜市yèshìは、MRT中山駅と雙連駅からそれぞれ徒歩10分くらいのところにある夜市だよ。そこまで大きくないけど、食べるものがいっぱいで、地元の人でにぎわっている夜市なんだ。

 本当に沢山のお店があるから自分の好きなもの気になるものを色々探してみるのも楽しみの1つだね。

 私がお勧めするとしたら圓環Yuánhuánbiān蚵仔ô ájiānの牡蠣オムレツと牡蠣が苦手な人は海老オムレツ食べてみてね。

 古早味Gǔ zǎo wèi豆花dòuhuā豆漿Dòujiāng豆花dòuhuāのピーナッツ(花生Huāshēng)トッピングは絶対に食べるかなぁこれで最後は締めないとって無意識に行列に並んでるんだよね。

 因みに蚵仔ô áって台湾語なんだって中国語ではなんて言うの?って聞いたんだけどみんな口をそろえて言った事無いって言われたから私もそのままこっちで覚えちゃった。皆1つ台湾語言えるようになったね!


 夜市を楽しんで、ホテル戻って修学旅行気分で話に花を咲かせながら気が付いてら寝てたよ。



 3月24日



 まず朝早くに二人で板橋をぶらり、そのまま私の通ってる大学が見たいとの事で、大学まで行って、そこから徒歩で中正紀念堂へゆっくり歩いても15分ちょいで着くから意外と近いんだよね。そこから師範大学の横にある師大夜市Shīdàyèshìをぶらり軽く食べて、話しながら歩いていたら気が付いたら台北101に着いてた。二人でどれだけ歩いてんだって大笑いしながら101の周りをぶらぶらして、その後台北駅の地下街へ、これはさすがにMRT乗ったからね。そのまま中山駅にある。新光三越の近くを散歩しながら雙連駅継続して民權西路駅の私たちが止まるホテルまで歩いて帰った。一日中歩いてたねぇって言いながら二人で、お風呂にお湯溜めて、足湯しながらのんびりしたよ。


 私個人としてはねこの異世界に来てから一番楽しかったんだよ。言葉通じる!ってすごく感動できる出来事なんだよね。ここだとずっと気を張り続けていたのも1つかな。自分の母国の言葉がこんなにホッとするんだぁって思ったよ。



 3月25日



 朝、限られた時間を無駄にしないをモットーに淡水へ遊びに来たよ。自転車借りてサイクリングして、サイクリングの後は、食べ歩き!これがまた楽しいんだよね。その後北投へ行って、最後に士林Shì lín夜市yèshìへ行ってこれまた食べ歩きをしたよ。

 あれなんだろう?って気になったもの二人で見たりして色んな体験できたから楽しかったなぁ~


 個々のおすすめスポットは今度まとめるね。たくさん見て知って欲しいところがあって、魅力を伝え終わらない!


「はる明日には帰るのか~」

「和音寂しい?」

「うん。寂しい」

「素直だな~」


 そう言いながら笑うので、笑うなと言いながら手に取ったお菓子を口に入れた。


「現実見たくない」

「今度はそっちなの」

「複雑なんだよ~」


 楽しい時間があっという間に終わって現実(そろそろテスト)が待っている。乙女心以上に複雑な学生心なんだよ。


 因みに今日は惜しむように二人で思い出話に花を咲かせた。

 短くて濃い3日間を過ごしたのだった。


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