　3月12日　

　会計学の授業が自習になった。って言っても一時間だけだけどね。なので、いそいそとノート整理に勤しむ私。時間は有効活用なのだよ。周りはおしゃべりに花を咲かせているが、ただでさえノート整理の時間が足りないのだよ。なんだかんだで時間が過ぎ、8時間目――

　元々週によって何かがあてがわれるこの時間、今日は国語の時間。どこかの学芸団がお話に来ていた。どこかは名前が聞き取れなかった……

　今まで行った公演会の内容だったり、どんなことをするのかとか、その地方に伝わるお話を少しいじったりとかして公演したりしてるんだって、すごかったのは、話してる人が立ってる小さな壇上があるんだけど、壇上と私たちが座っている座席の間には小さな通路があるの。その小さくて狭い空間で、奇麗なバクテンを披露してるからこれには思わず「すごい！」って日本語で言ってたよ。バクテンとか出来ないから素直にかっこいいって思っちゃうよね～今日も今日とて心得（Xīndé）【感想文】あるんだけど、ほとんどバクテン凄かった～みたいなことしか書いてない。話してた内容に専門用語が多くて、しかも私にとってはかなりの早口、頭が記憶という処理をしようとする前に、新たな情報が入りパンクして機能をストップさせてしまったみたいである。自分の事なのに他人事のように言っているのはただ現実逃避しているんだよ。日本語を中国語に訳したら文字数全然足りないから……

「泣きたい……」

　もうこの半年と数週間で何度目か分からない嘆きが零れ落ちたのであった。

　3月13日

　私はとある場所を訪れていた。

　みんな台湾への語学留学って色々種類があるって知ってる？

　1つは、大学付属の中国語センターで、春から冬の４学期に分けたり、毎月、1・2週間の短期などの開校時期が、学校によって違うから募集時期なども含めて調べてみてね。ただしこの方法は大学付属だから18歳以上、高校卒業以上の学歴を条件に求めているところもある。もう1つは、民間の中国語スクール、これは自分で授業時間とか学習期間とかを柔軟に決めたり出来るので、休みを利用した留学とかも出来るかな。

　しかもコースも色々あるらしくって、普通の中国語コースは、はじめに軽いテストを受けて、初心者から上級までのクラスに割り振られる。色々な国から来ている子と知り合えるよ。中国語検定コースは、そのまま検定に特化した内容を学ぶコース。短期のホリデーコースは、休暇を楽しみながら中国語を学ぶコース、臺灣ならではのものもあるらしい。もう1つはワーキングホリデー、18～30歳までしか出来ないけれど、中国語を勉強した後に、仕事も出来るものただしビザの有効期限は180日間ごとに区切られていて、延長しても最大360日間までの滞在が可能。まぁ調べたらいっぱい出てくるから自分に合ったものはどれか探してみてもいいかもね。

　私が訪れたのは、大学入学前に短期で語学留学していた時に知り合った友人の所だ。前と同じかと思えば、友人の母親が元々臺灣の人で、結婚して海外に行ったんだけど――ここで、少しの豆知識。

　華僑（Huáqiáo）、華人（huárén）、華裔（huáyì）って言い方があって、日本ではあまり馴染みが無いんだけれど、分かるように言うと、華僑（Huáqiáo）は台湾や中国等の国籍を持ったまま海外に長期滞在している人たち、華人（huárén）は華僑（Huáqiáo）と違って、他国に帰化した人たちで、華裔（huáyì）は華僑（Huáqiáo）・華人（huárén）の子孫の事を言うんだよ。

　で、私の友人は華裔（huáyì）になるんだけど、臺灣では、そういった2世、3世に祖父母や両親の等のルーツをもっと知ってもらおうと同じ語学留学でも少し違うプログラムがあるらしくって、まず寮生活の朝昼夕食付、朝からみっちり中国語の授業に加えて、文化に触れ合う授業が組み込まれている。授業が全部終わった夕方以降は遊びに出かけてもいいけど、門限が定められており、遅刻等の時間に厳しいなと感じるところだが、国が費用を結構負担してくれているので実際通う側の費用は余りかかっておらず、何かあった際にも対応するためにこのコースを選択中は、ルールを守れば楽しく過ごせるというものらしい。しかも最後の週には、プチ修学旅行もあると聞いた。因みに大学にも華裔（huáyì）の子たちはいて、僑生（Qiáo shēng）って呼んでるよ。僑生（Qiáo shēng）の身分として学校に通うには、まず海外で生まれてずっとそこに住んでいるかもしくは直近6年から8年海外に住んでいるかという事と、その国の長期もしくは永久許可書を持っているかとかの規定があるらしいよ。その他の私たちみたいな外国人は外籍生（Wàijíshēng）って呼ばれてる。因みに学費面も僑生（Qiáo shēng）の子たちは臺灣の子たちと一緒なので、そう思うと、海外に暮らしている2世、3世の子たちが、気軽に親の母国語などを学べるんだなぁって思った。

　話を戻すと、私が今回ここに来たのは、友人に会うためと、もう1つこのコースに参加している子たちをサポートしているのが、臺灣の学生アルバイトの人たちで、授業で分からない点があれば教えたり、一緒に遊びに行ったり、後は点呼などを管理したりするアルバイトを体験するためである。その顔合わせでやって来たのだが、まず台湾で、アルバイトをするには、語学留学なら1年以上通っていて一定の成績があること、臺灣の大学で正規の留学をしていることなど規定があるよ。短期の語学留学だとアルバイトは出来ないから、もしバイトもしつつ語学も学ぶならワーキングホリデーのビザを取った方が良いかな。

　話を少し戻すとアルバイトをするには、さっき言った条件を満たした後に、「労働許可証明」を申請しないといけないんだけど、費用は100元と申請書には学校の許可を貰う事。有効期限が切れていないパスポートのコピー等を用意しないといけないよ。アルバイトしたいって思ったらまず学校に相談すれば用意すべきものを教えてくれるよ。後労働時間にも決まりがあって、毎週長くても20時間以内、これは学びに来たのにアルバイトばかりするのを防ぐためにあるんだって～長々と話したけど、こんな感じでアルバイトの許可書を貰わないといけないんだ。

　今回の私は、まだ許可書を取れてないのと、学校の授業と両立出来るかどうか分からないので、お給料は発生しないけど、ただどんなことをしているのか見学って言った感じだね。

　因みに日本の人いました！久々の日本語なのでテンションが上がったのは仕方がないよね。

　3月14日

　今日の体育の授業は卓球だよ！因みに地下にあります。卓球できるところが2か所あるらしいんだけど、今使ってるところは空間が結構小さいので、みんなで譲りながらただただ打ち合って終わった。

　すごく楽しかったよ～友達には、体育になると楽しそうだねって言われた。言葉要らないもんね！

　その後の英語の時間は心の中で悲鳴を上げてたけどね。

　3月15日

「やってしまった～」

　私は寮で頭を抱えた。授業で履歴書を作ってみようってなって宿題にされたんだけど、頑張って中国語で打ってあと少しの所で、パソコンがフリーズし、案の定保存を忘れていたデーターは消え失せてしまった。

　あれだけ「こまめに保存」って付箋に書いて目のつくところに貼っているのに忘れる始末。パソコンを再度立ち上げ復活を試みたが失敗し、仕方がないので一から作り直したよ。その時脳内には、「仕方がないので、お手紙書いた。さっきの手紙のご用事なあに」って音楽が流れ、お返事で出来上がったものが欲しいよと現実逃避をしていた。幸いなのが、これが普段のレポートや感想文ではないことだ。それが消えてたら内容を思いだすところから始めないといけない。

「文字を打ったらCtrl＋S、文字を打ったらCtrl＋S」

　呪文のように呟きながら作ったよ。因みにCtrl＋Sはショートカットキーで、キーボードのCtrlを押しながらSのボタンを押すと保存できるんだよ。だからマウス触らなくても保存が出来る。他にもコピーの方法とかいろいろあるから興味ある人は調べてみてね。

　3月16日

「眠い」

　朝一番の8時から微積分、2時間後の会計を終わらせて、やっと来たお昼ご飯！

　今日は学校図書館の隣にある小さなカフェのテラス席でサンドイッチとピーチティーを食べたよ。小さい学校なんだけど、こうテラスで座ってるだけで、気分が少し変わるから不思議だよね～

　3月17日

「暑い、暑すぎる。春どこ～」

　教会への道のりを歩きながら私は暑さに悲鳴をあげていた。3月半ばで気温が25度……日本ならそろそろお花見の季節～のはずなのに、ここはもう夏が近づいている。2月から思ってたけど、春はどこ？ほぼ薄手の服で生活できているので、ふと台湾から近い沖縄もそうなのかなぁ？と考えてしまった。沖縄に友人がいないので聞けないのが残念だ。

　3月18日

　とりあえず寝るだけ寝た後、私は、国語の宿題に取り掛かったのだが、300字以内の感想文を作るのに2時間かかってしまった。もっとすらすら中国語が出るようにならないとなぁと私はしみじみ思ったのであった……