VRMMOのテーラーは異世界でも大忙し!? ~勇者の彼女に手作りの装備をプレゼント!

MINT

第1話 職業「テーラー」

主人公である藤本真人は、オンラインゲームが大好きで、特に人気のあるVRMMOゲーム「ファンタジー・ワールド・オンライン(略称FWO)」をプレイしていた。真人はFWO内でテーラーのスキルを持っており、プレイヤーからの注文に応じて、様々なアイテムを仕立てていた。


ある日、真人はFWOにログインすると、突然画面が暗転し、目の前には見たことのない異世界が広がっていた。真人が戸惑っていると、NPCである女神が現れて、この世界は「ファーシア」という名前で、真人のいる場所は「ファースの街」というらしい。そして、女神からの説明によると、どうやら真人は転移してしまったらしく、しかもログアウト不能になっているというのだ。


真人は途方に暮れていたが、とにかく街を見て回ることにした。街では、冒険者ギルドがあることを知った。そこで、冒険者の登録をしたのだが、真人は職業の選択欄にある、「テーラー」というものに興味を抱いた。


テーラーは、生産職の一つで、布地などの材料を使って装備品を作ることができるらしい。早速、真人は冒険者としての登録をし直し、テーラーとして生きていくことを決意した。


真人は、まず手始めに冒険用の服を作ることにし、街の裁縫屋を訪れた。


しかし、残念なことに、この店は閉店しており、店員もいなくなっていた。


真人は困り果てたが、なんとか閉店の看板をどかし、中に入ろうとした時、突然ドアが開いて、中から女性が飛び出してきた。


その女性は、かなり若く見え、10代後半ぐらい。

「あなた、どこから来たの? ここは閉まってるわよ!」

「あの……俺は、外から来ました。ここがどういう場所かもよくわかってないんですけど、とりあえず冒険者の登録をしてきました。


これから何か仕事をしようと思ったんですが、お店をやってる知り合いがいないんで、服を作ってみようと思って……」


「へぇー! あなた、若いのにしっかりしてるのね。私はアリアっていうんだけど、実は私も最近ここに来たばかりで、まだあまりこの街のことを知らないの。よかったらいろいろ教えてもらえないかしら?」


「俺の名前は、真人です。それで、何があったのか聞かせてください。」


アリアは、自分が異世界に召喚された勇者だということ、魔王を倒すために旅をしている途中だったこと、この世界で仲間になってくれる人を探していることなどを教えてくれた。


「勇者ってすんごい人に会ってしまったな。ところで、冒険に必要な装備というのは、どんなものですか? 例えば、剣とか鎧とか盾とかでしょうか。」


「えっと、私の持っている武器は、勇者専用の聖剣で、この剣には回復効果があるの。防具は、防御力の高いフルプレートアーマーで、武器と同じ効果を持っているわ。それから、移動用に使う馬車もあるの。でも、どれも装備としては弱くて、せいぜいモンスターの攻撃を防ぐくらいしかできないと思う。だから、戦闘用に使えるような装備が欲しいと思っているんだけど……。」


「おっと、こんな時間だ!仲間が待ってるからじゃあね」

アリアは風のように去っていった。


「忙しい人だったなぁ。でも可愛かったなぁ。」


「さて、とりあえずテーラー業を営むべき

準備をしないとな」


俺は、道具屋で必要なものを揃えた。

・針

・糸

・布地

・生地

・型紙

・ボタン

・裁縫セット

次に、装備作りのための素材を買いに行った。

この世界のモンスターと戦うためには、武器や防具が必要だろう。


それに、レベル上げのために、狩りにも行く必要がある。


素材を集めておくことは重要だ。

素材屋の店主が言うには、

・鉄

・銅

・銀

・金

これらの金属を加工したものが、 武具の素材となるそうだ。


また、鉱石類も買い取ってもらえるとのことだったので、 鉄鉱石と魔石を買うことにした。


ちなみに、魔石とは、魔法を使うための燃料のようなものだ。


魔力の込められた宝石のようなもので、 これ単体でもある程度のエネルギーを 蓄えることができるらしい。


俺のスキルを使えば、 大量の魔石を精製することができる。


そして、鍛冶スキルで武具を作り、 販売することで生計を立てていくつもりだ。


まずは、初心者向けの剣を仕立てていこう。

冒険者は、基本的に金属製の剣を装備するらしい。


だが、剣は扱いが難しいので、 練習用として、木刀も作ろう。


これは、剣道をやっていた経験を生かしたものだ。


まず、剣と木刀の材料になる鋼を選び、 錬成スキルで鍛え上げる。


すると、鉄のインゴットが出来上がった。

これをさらに溶かして、剣の形にする。

そして、刃の部分を研いでいく。

研磨スキルで仕上げると、鉄の剣が完成した。


次は、木刀を作ろう。

まずは、樫の木を選んで、 木工スキルを使って、削っていく。


そして、柄の部分を作ったら、 あとは鍔と鞘を作って完成だ。


これも、錬成スキルを使って作る。

完成した木刀を持ってみると、 ずっしりと重く感じた。


どうやら、筋力が上がっているようだ。

剣術の心得はないが、 なんとかなるかもしれない。


続いて、革製の防具も作った。

革は、牛の皮を使った。

防具といっても、上半身を覆う程度のもので、胸当てのような形状にした。


防具を身につけてみると、 体に馴染むようにフィットした。

動きやすくていい感じだ。


「これならこの世界で生計を立てられるかもしれないな!」


これを冒険者に売って反応を見てみようと、真人は冒険者ギルドに向かって行った。

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