第11話 アイスクリームの日/『アイスクリーム・キス』

「あなたのキスはアイスクリームのようね」

唇を離した後、甘くとろけた私の顏を見て、満足そうに頷いた。

「ラクトアイスでもアイスミルクでもない」

「油っぽい?」

「違う。濃厚なのよ」

「じゃ、クリームでもいいんじゃない?」

「ううん、ちゃんと冷たい」

「心が凍っているのは君も同じでは?」



◆5月9日は「アイスクリームの日」/2023年5月9日作

#140字小説『アイスクリーム・キス』

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