雨に誘われて
もりくぼの小隊
あたしの好きな人
キスをした。
あたし、
ほんのちょっとな
唇が触れた頬は暖かくて柔らかい。ミルクコーヒーみたいな優しい香りがする。
朱雨さんは不意打ちを食らって頬を朱く染めあげて可愛い。
このキス、急すぎたかな……ごめんなさい。見つめてくる垂れがちな茶色の瞳は動揺してる。それが可愛くて、ステキで、無重力なフワフワ浮ついた気持ちは時を進めてなんてくれないみたい。今なら過去にだって、戻してしまいそう。今のキスは、不思議で特別な時間が流れてた気がする。
あたしは「イタズラ」とだけ呟いて舌を小さく出した。朱雨さんは胸に「冗談」の二文字を咲かせたのだろう。ホッと息をついている。
でも、冗談じゃないよ。ごめんね、秀雨さんは、お兄ちゃんのカノジョなのに。勝手に好きになっちゃって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます