第134話 ロンドンにて1
興奮冷めやらぬスタジオ。だけど未だ生放送の途中だ。
俺は着物のまま、CMの間に、みんなで元のスタジオに戻り席に着く。
さすがは大女優さん。移動時までの大興奮も、CM明けにはかなり落ち着き、トークへと戻った。
そして無事に収録も終わり、俺達のフランスでの日程は終了。
まあ、その日のディナーは大女優さんの招待でかなり豪華なものになったのは言うまでも無いけど。
翌早朝、俺達はイギリスのロンドンに向かった。
飛行時間は1時間半ほどで、昼前にはテムズ川沿いの高級ホテルに到着。
早速ホテルのレストランへ向かうことに。
こういっちゃなんだけど、やはり味は日本が一番かな....って思いながら腹が減ってればなんでも美味しいや。
1時間ほどゆっくりして、これから3日間お世話になるテレビ局にご挨拶に向かう。
英語なら俺だって...て思ったんだけど、やっぱりというか、全く聞き取れないし一言も発しないまま撃沈してしまったよ。
そんなこんなでテレビ局に到着。由美子さんが受付に行くと、少しして担当のプロデューサーが現れた。
彼の名は、ボブソン。ボブって呼んでくれって親し気に話しかけてくれた。
年の頃は50前くらいかな。身体を鍛えているのか、ゴツイ体つきに精悍な顔立ちのナイスガイだ。
「彼は元アクション俳優で、今はスポーツ番組のプロデューサーをしているそうです。
今回、丈一郎さんが来られるのを聞いて、是非にとこちらでの案内役を買ってでて下さったそうで」
「レッツゴー!ジョウイチ!」
食いつき気味のボブさんに腕をとられて、俺達はそのままエレベータで上の階に上がっていったんだ。
フランス同様、先ずはお偉いさん方への挨拶から。
それが終わったら、もちろん用意されているスタジオで殺陣の演武。
ずらりと並んだテレビカメラと一眼レフ。
新聞や雑誌記者も既に待機していたみたいで、総勢40~50人くらいいるんじゃないか。
日本での噂だけじゃなく、フランスでの反響もこちらに届いていたみたいで、フランスの時よりも皆興奮しているよ。
こちらでも型を披露した後、数人相手に立ち合い。こちらでは剣術だけじゃなくて合気道みたいな組み手も要望された。
そんなの出来るのか?って思ったけど、すんなり出来た。
剣術の型もそうだけど、こちらでも引き継がれている能力の中に剣術と格闘術ってのがあって、そのスキルが勝手に身体を動かしてくれている感じかな。
これを見ていた別のディレクターが由美子さんに何やら耳打ちをしている。
どうやら、人気ドラマのゲストとしてアクションシーンに出て欲しいというオファーのようだ。
結構有名なドラマらしくって、由美子さんも見たことがあるそう。
面白そうだから承諾した。撮影は明後日の滞在最終日らしい。
その夜はボブさんの自宅に招かれ、晩飯をご馳走になった。
翌日は、ボブさんの番組に出演。日本で言うところのサ〇ケみたいなガチ運動系番組。
もちろん、歴代最短記録でクリアしたよ。ドラゴン退治に比べたら屁みたいなもんさ。
これがまた大反響を呼び起こすことに。
ネットでフランスでの放送が拡散されている中でこの人気番組での初挑戦にして歴代最短記録でのクリア。
『スーパーマン ジョウイチロウ』の名は各新聞が出した号外に掲載され、雑誌社もネットで大きく掲載。
あれやこれやの間に、俺って超有名人になってしまった?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます