第18話 秘密基地
通路を歩いている途中、ふと気になって「なぜ誰も来ないんだ?」隣のマーティに聞くと「わからない。何か起きてるのかもしれない」右脚を
メインルーム前にいくとドア横に立ち、銃を構えて中に入ると、突然の乱入に、中にいたメンバーが一斉に振り向く。
「誰だ!」
ひときわ背の高い、赤茶けた短髪の男が銃を構えるが「マーティ!」銃を降ろすと「お前、無事だったのか。まったく、ビックリさせるなよ」しかし、足を引きずる姿を見て「なんだ、ケガしたのか?」
「大したことない」中央テーブルの椅子に座り「奴らを混乱させるために流星群に突っ込んだんだが、奴らのほうが一枚上手で、撃ち落とされた。そこを彼の艦に助けられたんだ」ロイを見ると「少しでも力になればと思い、付いてきました」
「アルバスです。マーティを助けていただいてありがとうございます。お心遣い、感謝します」
「ロイです。ところで、メンバーは全員無事ですか?」
「そうだ。セージはどうした?」
「奴の船は逃げる途中で受けたダメージがひどくて、ここまで持たなかった。一つ手前の基地にいる」
「あの基地には予備の船がない。ここまで来られないのか?」
「無理だ。ケガ人が多くて身動き取れないらしい」
「こっちから出向くしかないのか」
「だが、俺たちのほうもケガ人が多くて、迎えに行くことができないんだ」
「この基地の安全度は今、どのくらいありますか?」ロイが話に入ると、アルバスは考えながら「そうだな。安全度は低いだろう。三十から四十パーセントあるか、くらいだな。寝返った同士から基地の情報がもれる確率が高い」
「そうなると、残された時間はそんなにないと考えたほうがいいのか……」
「そうだ」
「この状況で取れる選択肢は?」
「見付かるのを待つか、自決するか……」
「ケガ人を見捨てて、動ける者だけで逃げるか」付け足すとマーティとアルバスが振り向き「確かにそれも選択肢の一つとなるだろうが、俺たちにはない!」キッパリ言い返すアルバスに「そうなると、今のままでは未来はないわけだ」
しばらくの間、沈黙が訪れる。
「アルバス。向こうの基地にいる人数は把握してるのか?」沈黙を破ってロイが話を進めると「それは確認してある」
「彼らを運べるだけのトラックは?」
「ある。だが、救助に行ける人数が足らない」
「では、僕らが行く」
「いや、それはダメだ」
「この状況で議論してる時間はない。時間が経てば不利になっていくだけだ」
「それはそうだが、君はここがどんな所か知らないだろう?」
「何か危険なことがあるのか?」
「まあな」
「では、その危険を回避するために、詳しい人に同行してもらう」するとアルバスとマーティは顔を見合わせ、考え込むが「俺が同行する。アルバス、今の俺たちにはなす
「もうすぐ日が暮れる。偵察機のことがあるから、動くなら夜のほうがいい」ロイの言葉に押され「わかった。すぐに輸送車を手配する」
滑走路に残してきたクルーと一緒に一階の車庫へ向かうと、大型輸送車が数台、出発を待っていた。
先頭車の後部座席に乗りこむロイが隣に座るマーティに「ここからその基地まで、どのくらい掛かるんだ?」と聞くと「そうだな。五時間くらいだろう」
「すると、今、午後六時だから、順調にいけば午後十一時頃に着くのか」通信用のインカムを付けて腕時計を見ると「無茶するな。死なれたら困る」
「それはお互いさまだろう?」
各車両にメンバーとクルーが分散して乗りこむと、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます