ポンプ前進
全身に甲冑を着込んだポンプと部下たち。
野営地から増援にきて早々、煙幕に包まれた事態を前に殺気立っていた。
「ついに現れたか。――彼ピッピ」
全員が魔力封じの装備で固め、前進する。
甲冑は胴のプレートに、剣は柄に石をはめて、いつでも魔力を封じる準備ができている。
身体魔法を使っているのであれば、純粋な斬り合いとなるだろう。
一方で、それ以外の魔法は、一切を封じる事ができる。
つまり、体格差で自身たちが有利であることを自覚していた。
「我らを導く一風となりたまえ!」
ポンプの体が淡い光に包まれた。
硬く握りしめた拳を突き出すと同時に突風が起こされる。
町を覆っていた煙幕に穴が空き、大通りの最奥まで見通す事ができた。
「これは賊を討つための戦いだ! 正義は我らにある! 行けぃっ!」
抜剣した兵士達が、一斉に前へ進んだ。
その数、30。
重装備の集団が町の至るところに散らばり、修羅を討つために、血肉を湧かせた。
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