第30話 人類にとっての宝ぞっ!
そして、どうやら斎藤博士曰くまずは俺のスペックをデータ化した上で俺専用の魔術行使用媒体を作っていくようである。
まぁ、俺のスペックや好みの武器などが分からない現状で俺専用の魔術行使用媒体を作れというのは無理があるだろう。
「因みに今から君に渡す魔術行使用媒体なのだが、君がどの武器が得意なのか分からなかった為任意で好きな武器、それこそ今まで出た魔術行使用媒体の武器タイプへの変形をする事ができる優れモノである。 結構苦労して作った一作だからできるだけ壊さないでくれたまえよ」
そういうと斎藤博士は大きな胸の谷間から一つのキューブ型をした黒い無機質な魔術行使用媒体を取り出すと、俺に渡して来るではないか。
…………な、生温かい……。
これがオッサンのパンツの中から取り出した魔術行使用媒体であれば気持ち悪すぎて触る気にもならないのだが、頭のネジが数本飛んでそうとは言え白衣巨乳美人の谷間から取り出した魔術行使用媒体だと思うと何故か頬ずりしたくなるし、今すぐにでも使いたい、何なら俺の専用魔術行使用媒体はこれで良いとさえ思ってしまうのは人類の不思議であり、俺が変態だからではない。
同じ人肌の温もりであるのにこうも違うか…………。
しかし、ここでそんな風に思っている事がバレたら俺まで変態のレッテルを張られかねないので『この温もりに関しては何も思っていないですよ』という体の表情でキューブ型の魔術行使用媒体を見つめる。
「どっから出しているんですかっ!? 斎藤博士っ!! 東條君も引いているじゃないですかっ!!」
「あいたっ!? この天才の頭を叩くとはっ!! 人類にとっての宝ぞっ!!」
「だったらセクハラをするのは止めてくださいっ!!」
そして幸か不幸か斎藤博士のオッパイの温もりを堪能していることはバレていなかったようで、そのまま助手の中島さんと斎藤博士が漫才を始めたところで、それをBGMに聞き流しながらキューブ型の魔術行使用媒体へ魔力を流してみる。
すると魔術行使用媒体は淡い光に包まれたかと思うと、銃の形へ、そしてそこへ更に魔力を流すと剣の形へ、更に槍、弓、魔杖、槌、盾へと変化していくではないか。
頭は多少……いや、かなりアレなのだが、この魔術行使用媒体を作ったのだとしたら確かに天才と呼べるレベルの技術力と知能、そしてそれを実現させるだけの腕があるのは確かのようである。
「…………凄いですね」
「そうだろう。 私の自慢の作品の一つだからな。 なんなら早速この施設の地下にある修練場で試してみるかい? せっかく麗華もいる事だしな」
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