第458話 さすふらっ!!

「おぉぉおおっ!なんと神々しいお姿であろうかっ!!このセバスっ!感動を抑えきれませんっ!!お嬢様のドリ────ではなく、巻き髪もいつにもまして輝いて見えますっ!!」

「特にドリ────ではなく、フランお嬢様の巻き髪がただでさえ神々しいお姿であるのに、その非現実的な────ではなく、フランお嬢様でしか表現できない巻き髪により神秘さが増してより神々しく見えてしまいますなっ!!」

「美しいものを美しいと思うその心が美しいと思う。このドリ────ではなく、巻き髪だけでも何時間でも見ていられそうであるな」

「そ、そうでしょうか?やはりわたくしの美しさはいくら聖衣と言えど太刀打ちできるものではないみたいですわねっ!!おーーーーほほほほほほっ!!」

「さすがフランお嬢様っ!!」

「さすふらっ!!」

「さすふらっ!!」

「ひゃぁぁぁあああっ!!フランお嬢様可愛すぎます美しすぎますっ!!『カシャカシャ(映写魔術シャッター音)』これはっ!!いけませんっ!!いけませんんんっ!!『カシャカシャカシャシャシャシャシャ』他のメンバーにも伝えませんとっ!!み、皆様っ!!フランお嬢様がっ!フランお嬢様がっ!さすふらですぅぅぅぅううううっ!!」


そしてわたくしはセバスに残った仕事を全て押し付けて、高まる高揚感を胸に、元ブラックローズのメンバー達にからの黄色い歓声のシャワーを浴びながら敵の本拠地へと飛び立っていくのであった。


いざ、敵は本能寺にあり、ですわっ!





まったく、物事とは想像していた通りに動く事など少ないとは分かっていてもこれ程までに上手く事が運ばない事に苛立ちを抑えきれないでいた。


ふと辺りを見渡すと、俺がいる部屋は床だけではなく天や壁までもが赤く血で染まり、床には贓物をまき散らした死体が老若男女問わず転がっていた。


「ひひいいいいいっ!!お命だけはっ!!どうかお命だけはっ!!なんでもしますっ!なんでもしますからっ!!」


その部屋の隅には生きた男性が一人おり、我と目があった瞬間まるで化け物と目が合ったかのような悲鳴を上げ命乞いをしはじめる。


「ふむ、何でもする言うのは嘘偽りのない本当の事であるな」

「はいっ!!嘘偽りなどではございませんっ!!なんでもいたしますっ!!」

「じゃあ死ね」

「へ?」

「なんでもするんだろう?この言葉は嘘であると申すか?」

「い、あ………その………あ────」

「嘘はいけないなぁ。嘘を吐いた罰で死ぬが良い」

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