第452話 神(フランお嬢様)の裁き
その動作には一切の迷いは無く、その事から人を殺す事には慣れていると判断し、警戒心をより一層強める。
「おっと、名乗りも無しに切り掛かって来るとは。せっかちな女性は嫌われますよ。あ、ちなみ私はメイというものです。お見知り置きを、生きて逃げ切る事が出来ればの話ですが」
そして私は彼女の斬撃を軽くかわしながら話しかける。
あのスピードではブラックローズの新人育成枠の方がまだ早く、造作も無く避ける事ができ相手の背後を取れ背中ががら空きであったのだが腐っても三国相手に喧嘩を売るような相手である上に私へと突撃に近い攻撃も自身が強者である故に負けるなどとは微塵も思っていないからできる攻撃であろう。
その為私はこのあからさまに避けてくださいと言った直線的な攻撃から背中を相手にさらしてしまう流れが罠であると警戒をしたのだが、相手の反応からしてそれも無いだろう。
むしろこう思わせる事こそが相手の罠であったのであれば相手を褒めるしかない。
しかしながら相手と言えど、例え敵が雑魚であっても手加減せず殺そうとしてくるその考えは嫌いではない。
なので私も敬意を表して最大火力をお見せ致しましょう。
そう判断した私は即座に真上へ急上昇したのち、前方へ空気抵抗を抑えために三角錐型の結界を作ると敵へ目掛けて一気に急降下する。
その速度は優に音速を超え、人間が反応できる速度を超えている、最速にて最大火力の技。
ブラックローズのメンバーで考え名づけられたこの技の技名は────
「神(フランお嬢様)の裁き」
この技を使いこなせて初めて軍服を着れる資格を得る事ができる技でもある。
そして流石化け物へと堕ちただけの事はあるのか敵はギリギリ避ける事ができたみたいではあるものの身体半分が消失しており最早虫の息である。
「ゆ、許さないっ!!絶対に許さない」
「許さないのは結構ですが、なんであの一撃を避けただけでそうのんびりしているのですか?誰も私一人だとは言っていませんが。そもそも神の裁きという大それた命名の技があのたった一撃で終わるはずがないじゃないいですか」
「へ………?」
そして次の瞬間には私が連れて来た軍服部隊により神の裁きの雨が敵へと降り注ぐのであった。
◆
黒い仮面達から放たれる想像を絶する未知なる攻撃の雨は我が眷属の身体ですら耐える事が出来ず、頭を残して見るも無残な状態となっていた。
その唯一残った頭、その目がぐりぐりと上下左右に動き出すと痙攣し始め口から泡を吹き出してくる。
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