第386話 改心させてこそ
そして次いで人間だ。
その為私は餌の確保をする為に定期的に人間の街へと向かいエルフの奴隷を中心に奴隷商から奪ってきている。
その時のエルフ達の嬉しそうな顔と言ったら、やはりいい事をすれば気持ちいいと感じるものである。
エルフの奴隷たちは人間の奴隷へと落とされる心配がなくなり、私は良質な餌が手に入り、そして人間ごときがエルフを商品にする等という許しがたい悪事を行っている奴隷商にダメージを与えることが出来る。
まさに双方得しかないベストな方法であろう。
それに、と私は辺りを見渡す。
そこには恐怖に染まった目で私を見つめる複数の奴隷たちの姿が目に入ってくる。
あぁ、なんと美しい光景であろうか。
元老院もこの光景を一目見れば分かるはずであると思うのだが、彼らには私のペットの餌になる事が決まっている為この光景を知る事なく死んでいく事を思うと、やはり排他的かつ変化を恐れる生き方は間違っていると確信するのであった。
◆
「ふぅむ、やはり俺含め全員が互いを蹴落とそうと思っているようだな」
さてどうした物か、と考えながら俺の傍らに侍ている女達の身体を撫でまわすと、可愛い吐息で答えてくれる。
そこには人間やエルフ、獣人等様々な人種が俺の身体に快感を与えてくれている。
美を求める者、傲慢な者、暴食する者、知識に飢えている者、様々な欲にまみれているのだが、やはり一番は性への欲求であろう。
生きるという事を理解していればその答えへとたどり着けると思っているのだが、七賢者と言えど所詮は性にあまり興味を持たないエルフである。
基本的にはどの人種よりも優れているエルフであるのだが、こと性に関しては人間や獣人等他人種の方が優れていると言えよう。
故に、性の喜びを知っている俺こそがエルフで最も真理に近い存在と言えよう。
その為性とは真逆であり死に対して執着している、暴虐に喜びを感じるムカデ女なんか持っての他である。
性に対して余りにも失礼極まりない思考であるのだが、何故そのような思考を持ってしまったのか研究するくらいの価値はあるだろう。
言い換えれば彼女にはそのくらいの価値しかないのだが、だからと言って殺してしまうのはそれこそ彼女と同じ穴のムジナである。
殺すのではなく改心させてこそであると俺は思う。
さて、どのように彼女を改心させようかと思考を巡らせるのだが、彼女の使役しているムカデをどう対処しようかと考えている時、気持ち悪い何かを感じ取った。
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