第124話 誰に対し楯突いているのですか?

「ダメ、ダメダメですわお父様。 炎魔術式の殆どをその龍の形にする為のものと、その形を維持する為の術式ばかりで無駄に魔力を消費しているではございませんか。 そんな見た目重視の魔術が一家相伝の魔術など元我が家系も大したことないのですね。 そのような見た目騙しの魔術など私でもそこまで魔力を消費せずに消せましてよ」

「へ、は? か、カミーラ? は? え? 私の炎龍が、消えた………?」


 カミーラの父親がわたくしに向かって放った攻撃魔術なのだが、その娘カミーラによっていとも簡単に消失させられる。


 その光景にカミーラの父親は愕然とし、未だに目の前の光景が信じられないのか狼狽えるばかりである。


 まぁ、この程度の魔術など今の炎の原理を理解しているカミーラにとっては児戯に等しく消す事などたわいもない事であろう。


「な、何をしたっ!? カミーラっ!! そして親に楯突くという事が何をしているのか理解しているのかカミーラっ!!」


 そしてカミーラの親は自分の魔術が消された事は理解出来なかったのだがカミーラが自分に噛み付いて来た事は理解出来たみたいでありまるで犬の様に吠え叫ぶ。


「は?誰が誰の親ですって? そして誰が誰に楯突いたですって? あなた方はわたくしの親ではございませんわ。 憎みこそすれどなんであなた方如きを親などと思わなければいけないんですの。 後、勘違いしているようですがあなた方が誰に対し楯突いているのですか?」

「わ、私の魔術を消せたのもマグレに決まっておろうっ! 偶然の出来事でなんと偉そうにっ!! 二度目は無いぞっ!!」


 そしてカミーラの元父親は未だに自分の立場を理解出来ていないのか尚もみっともなく吠え続け、一家相伝代々伝わるという魔術、炎龍を連続で出してわたくしとカミーラに向けて攻撃して来るのだがそれら全てをカミーラによって打ち消されて行くとカミーラの元父親は、遂には魔力切れを起こしたのかその表情は青白くなっていき顔には脂汗が吹き出して見るからに体調不良であると、この場合は魔力切れであると誰が見ても分かる程である。


 ちなみにカミーラがやった事と言えば真空の空間を作り炎を消しただけである為魔力は殆ど消費していない。


「な、なんで……はぁ、はぁ、カミーラ如きにっ……はぁ、はぁ、こ、こんな事があってたまるかっ!!」

「言いたい事はこれで最後ですの? それでは、先程の魔術は程度こそ知れておりますがまともに当たれば死んでいてもおかしくない程の魔術を使いわたくし達に対して、わたくしが敬愛してやまないローズ様に対して攻撃して来たと言う事は逆に私達もあなた方に向かって当たれば死んでしまう程の魔術で攻撃しても良いという事ですわよね?」

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