第74話 後は行動あるのみである
その中でも帝国と王国との戦争に対してわたくしは頭を悩ませている。
ちなみに先日のお見合いであるのだがお断りをするつもりである。
そもそも婚約した所で数年以内に死ぬかもしれないのである。
それを知っていて婚約するのは婚約した相手に失礼というものであろう。
最早婚約するしない以前の問題である。
いっそのこと国外へ逃げて暮らしても良いように思えてくるのだがまずは何をするにも死亡フラグを全て折って叩き潰し粉々にした後の話であるし、その場合そもそもの死亡フラグという国外へ行く理由が無くなっている上に国外へ行ったとしても死亡フラグを残したままであれば結局不安は残る上にその死亡フラグがどの様に変化するのか最早わたくしの理解の範疇を超えてしまう可能性も高い為外国へ逃げるというのは無しである。
しかしながら外国へ逃げたいという誘惑は常にわたくしを付き纏うのだが、それと同時に神が敷いた運命という奴から逃げてしまうみたいで、神や運命もさる事ながらそんな弱い心を持つ自分自身も腹立たしく思ってしまう。
よし、決めましたわっ!
ウジウジ思うくらいならばぶっ壊せば良い。それが今世のわたくしの、現在の行動原理である。
ならば戦争を止める事は出来ずとも戦争にならない様に動く事は出来る筈である。
幸い我がドミナリア家の執事により魔族国のシケ栽培地域と騎士団の本部や王宮の位置、そしてそれら騎士団と王族の基本的な一日の生活リズムや行動パターンなど仕入れさせて貰っているのである。
初めは麻薬の繋がりだけを把握するために悩みに悩んだ末セバスを動かしたのだが、彼はわたくしの想像以上の成果を上げて命からがら帰って来たのである。
それを無駄にするなど余りにも勿体ない上にセバスにも申し訳がない。
そうと決まれば後は行動あるのみである。
そしてわたくしは戦争を止める為の作戦をノートへ書き綴って行くと共に三日からイレギュラーも視野して五日程家を開ける言い訳を考え始めるのであった。
◆
その日の深夜、わたくしは王国の地に立っていた。
長期休暇の言い訳としては冒険者登録をする為と学園にも親にも通してある。
理由としては一番無難ではあるのだがいかせんここぞという一回しか使えない為高等部に上がって直ぐに冒険者登録をすると言うのが一般的ではあるのだがそれを今まで登録せず残していたのである。
そして今回がここぞという時であるとわたくしは判断した。
わたくしは公爵家の娘である為万が一を想定して護衛を付けなければならないのだがそれはブラックローズの面々で押し通したし、押し通す為に余りやりたくなかったのだがジュレミアという虎の威も借りた。
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