第7話 会わない関わらない近寄らない
それはもう砕け過ぎてさらっさらである。
そんな彼は君恋にある数多のエンディングで百四十八回、約半数ものエンディングでこのわたくしを殺しているのである。
ええ、それはもう様々な方法で。
プレイしてた頃はその度にスカッとさせて頂いたのだが、はっきり言って冗談じゃない。
もし今あの様々な方法でもって殺されると思うと身の毛がよだつ。
最早コイツに関しては会わない関わらない近寄らないの三原則を実行する必要があるし、今日この度フラン脳内決議にて満場一致で可決である。
そして残りはわたくしと同じ公爵家であり幼い頃から少ないながらも交流があるリカルド・コールドウェル、代々近衛騎士一番隊隊長として君臨する武の家系の長男であるレオ・クロスフィード、そして代々宰相となり皇帝の右腕として君臨する家系のこれまた長男であるアルビン・ダウニー・リアムである。
わたくしはこの者達三名により約百回ものエンディングで殺されている。
ノア王子と合わせると約二百五十回もこいつらに殺害された事になる。
最早この攻略対象キャラクター達には息をするだけで気にくわないと殺されてしまいそうである。
まさにわたくしの天敵。
君子危うきに近寄らず。
君子危うきに近寄らずであるっ!!
そんな訳で心の中に残り三年のスローガンを叫び体育館へと向かう。
◆
一般入学組との合同入学式は恙無く終わった。
唯一思う事があるとすれば前世でも今世でも校長の話は無駄に長いという事位であろう。
「「フラン様おはようございます」」
「おはようございますミシェル様、リリアナ様。お互い同じ教室だと良いですわね」
入学式も終わり教室に行く為に校舎入り口に張り出されたクラス分け表を見に行こうと移動している時、二人の女性から声をかけてくれた。
この二人、ミシェル様とリリアナ様は小等学部からの友人である。
長いピンクの髪は緩い癖っ毛でふわふわとしておりタレ目も相まってほんわかとした雰囲気を醸し出しているおっとりしている性格の方がミシェル様で深い青色の髪をポニーテールで縛り女性武士と言われても納得してしまいそうな雰囲気を醸し出しているのがリリアナ様である。
そんな三人で春休みの思い出を各々キャイキャイ言いながら目的地であるクラス分け表のある場所まで向かう。
因みにこのお二人はゲームでは、フランのヒロインに対する嫌がらせの数々は己のそのプライドも相まって全て一人で行っている為出てきていない。
で、あるならば逆にこの二人との行動を多くすれば何らかのバッドエンドを回避できるかも知れないと姦しい会話の中で密かに考える。
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