第15話  文化祭、何やる?

クォーツ研究所。

「姉さま、まだ起きてるの?」

 眠い目を擦りながら、メープルに話しかけているのは弟のコハク。8歳だ。

「うん。もう少し」

「姉さま、無理はしないでね」

「うん。ありがとう」



 次の日。生徒会室。

「昨日、私が徹夜で完成させた企画書があります!」

「おお~」

「クォーツ学園大文化祭の準備、始めるよ!」


「という訳で、うちのクラスでは何をやる?」

「お化け屋敷!」

「クレープ屋!」

「劇!」

「たこ焼き屋!」

 他にも色々と案が出て……。

「じゃあ多数決で決めます」

 ジャカジャン。結果は……?

「劇に決まりました!」

「おお~~~~」

「何の劇にするかは明日、決めます! 皆、何がいいか考えといてね!」


「おい、ルビー」

「何、小次郎?」

「一番大変そうな劇に決まっちまったけど、いいのか?」

「いいじゃん! 劇、面白そう!」

「お前はいいな、ポジティブで」


次の日。

「さあ、皆、劇の題材は考えてきたかな?」

「王道にロミジュリ!」

「江戸川乱歩!」

「泉鏡花!」

「ハムレット!」


「結果、江戸川乱歩の探偵物に決まりました! 明日は作品と配役、仕事を決めます」


そして決まったのが……

D坂の殺人事件


明智小五郎  小次郎

私      ルビー

古本屋の女房 メロ

古本屋の旦那 ボミー

ソバ屋の主人(犯人)ジョセフ

時計屋の主人 グレッグ

アイスクリーム屋 流星

小林刑事   クリオ

警官     マシュー

司法主任   フィルム


脚本を文学少年の正義(まさよし)が、照明係はチェシャがやることになった。



「主役、俺かよ!」

「だって小五郎と小次郎で名前が似てるんだもん」

「名前キャスティングか!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る