キミの幻影

yuiki

第1話 プロローグ

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 俺は死んだ人が見える。


 そう気づいたのは小学二年生の時だった。正確に言えば、死んだの面影がはっきりと見える。


 俺はその面影のことを勝手に「痕跡」と呼んでいる。


 そしてその人の心の一部が読める。でも、全部じゃない。


 どのような人が見えてどのような人が見えないのか。その区別の目星はついている。見える人の心にはいつも


「未練」つまり生前への不満みたいのがあったんだ。



 これから話すのは俺が高校生の時に体験した物語だ。


 二度と俺達のような過ちを起こさないために、この話を聞いてほしい。


 俺と同じ能力を持つ、君に。



 目の前でポツンとたたずむ少年に話しながら、一度心の中に閉じ込めた記憶を掘り起こしていった。



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