夢幻泡影戀日記 〜西春編〜
亜月
序
僕は表現が下手だ
表情の薄くなった世界で
ポーカーフェイスを貫いて
叫べなくなったこの世界で
口を隠して黙り込んで
僕はそういう人間なんだ
周りに溶けて消えていく
溶けるうちに見つけた
儚い上澄みと靄の沈殿
それをそっと掬い取って
言葉に乗せたくなった
形を持った僕は
メモ帳を開けた
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