初唐の詩人ざっくりまとめる

ワワワ

方外十友とは


 いきなりですが、『新唐書』陸餘慶りくよけい伝には次のような記載があります。

  雅善趙貞固、盧藏用、陳子昂、杜審言、宋之問、畢構、郭襲微、司馬承禎、釋懷一,時號「方外十友」。


 方外十友は、初唐の時代(概ね六八〇-六九〇の一〇年間近辺)に洛陽近くの嵩山を拠点として交流を持った人々の集まりです。彼らは山に遊んでは詩を詠んだり薬草を取ったりしていました。

「方外」とあるように、世俗から離れた隠逸を夢見る当時無名の人々が集まっています。また、道上先生(参考文献参照)は、方外十友の集まりには当時名のある道士であった潘師正及び田遊巌の影響があったのでは無いかと論じられています。


 方外十友の構成員は以下のとおりです。順番はとりあえず年齢順にしてあります。また、上記の一〇年間の年齢についても〈〉で記載します。あと見づらいので算用数字にします(やりたい放題)。

1.司馬承禎しばしょうてい(643-735)〈37〜47〉

2.杜審言としんげん(646?-708)〈34〜35〉

3.史懐一しかいいつ(不明。推定650くらい?-766)

4.畢構ひつこう(650-716)〈30〜40〉

5.宋之問そうしもん(656?-712)〈24〜34〉

6.趙貞固ちょうていこ(658?-697?)〈22〜32〉

7.陳子昂ちんすごう(659-700)〈21〜31〉

8.陸餘慶りくよけい(661?-不明)〈19〜29〉

9.盧蔵用ろぞうよう(664-713)〈16〜26〉

10.郭襲微かくしゅうび(不明)


 ただし、彼らが一〇年間揃って交流を続けていたわけではありません。例えば陸餘慶は、二〇歳を過ぎてから三年間引きこもって勉強に励んだという逸話があります。

 しかしその詳細についてまでは記述が残っていないため、私はあまり細かく考えていません。やってられませんわ!


 方外十友は詩人・道士・僧・隠士など多彩な人間が集まっていましたが、彼らが政界へ進出したりしなかったり各々の道を進んでもなお、あちらこちらで交友は続いていたようです。

 また、十友には入りませんが、文章四友の崔融や左遷組の王無競はしばしば方外十友と交流があったようでした。

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