第21話 二人旅

ルークたちは街から少し離れるとホバーボードを2台出した。1台は予備に作っていた物だ。エレナに乗り方を教えると直ぐに習得した。さすがエルフの少女は覚えが早い。

エレナとの旅の途中では休憩時に基本的な魔力の使い方や魔法陣の説明もしたがこればかりは何処かに篭って一人で実験しながら覚えるしかない。外では魔法を撃っても被害は出ないので中級魔法位までの基本は覚えた(かもしれない)

繰り返さないと覚えられないし仕方のない事だ。

『宿に着いたら文字と計算を覚えようね』とちょっと詰め込みすぎだがいずれ一人で生きてゆくには必要だ。


明日は回復魔法とポーションの作り方を教えるか…。それともまた捕まった時のために隷属の首輪の解除とか身を守る防御魔法アイテムとかか…。

疲れたのだろう。隣でくっ付いて眠るエレナへのルークお父さんの悩みは大きい。


少し長い休憩の後はまた街道を少し避けてホバーボードで快調に飛ばして港町ノルン郊外で徒歩に変えて疲れたエレナを抱っこして街の入り口を抜けた。

さて冒険者ギルドで迷子案内が無いか一応確認したがエレナを探す人は居ないようだ。親やエルフ一族で探している者も居ないんだろうか?

ギルドでお勧めの宿にチェックインした。二人部屋で小金貨1枚はこんなものかと少し休憩の後で食堂で夕食にあり付いた。

『かわい子だね』

『オレ似だろ』と躱したがやっぱり似てないか。おとなしいエレナを連れて部屋に戻ったがエレナの瞼は今にもくっ付きそうだ。

仕方ないからトイレを済ませてベットに寝かせた。

『思うように勉強が捗らないなあ』と独り言ちるのだった。


『明日、アルノーへ向かうか』と呟きながらルークも眠りに着いた。

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