壊れたAI搭載の宇宙船を修理したら、この辺境の星から連れ出してくれました
綾南みか
プロローグ1
人が宇宙に住む為にはその身体を変える必要があった。
身体強化、認知強化、知能強化、あらゆるゲノム強化により生まれた新人類だったが、異星に移住した彼らは例外なく変形していった。
その星に適応するために、遺伝子の命ずるままに、皮膚の色を変え、体の形を変え、その移住した星に順応したのだ。
一部の人は醜く変形する身体を嫌い、サイボーグに走った。これをサイボーグあるいはドールと呼んだ。
サイボーグを作る会社は製造が追いつかないほど売れて儲けたが、やがて殆んど元の人と変わらないサイボーグを作り出した会社が台頭し、社会の中枢を牛耳った。アームズ社である。
初代J・B・アームズが開発し成功したこの技術をアームズ社は独占し、その力は強大になり、あらゆる国家を凌いで人類社会の王座に君臨した。
一方、社会の片隅でサイボーグと変わらない新人類が現れた。どの地に赴いても変わらず美しい体形を保つ彼らを、ゲノムから切り落とされた筈のインティと呼んだ。
身体的にも能力的にも優れたインティを恐れたアームズ社は、彼らを保護せず狩る方に廻った。インティ狩りである。
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