2023/05/02埼Ζ県 聖ミッカボウズの巡礼ルート40
聖ミッカボウズ。飽き性、怠け癖、虚無感などの守護聖人。世界中に愛と平和を説く旅に出たが3日で帰ってきたという逸話はあまりにも有名である。
さて、この日記も3日目。これからも執筆を続けていく決意を固めるべく、今日は聖ミッカボウズがかつて巡礼したという路を辿った。
まぁ県道沿いだったりバイパスだったりなのだが。
暖かい日光が照り、強いが心地よい風が吹く歩道を行く俺はそれだけでご機嫌だった。くだらない日々のあれこれで溜まった澱みが体から剥がれ落ちて吹き飛ばされていくのを感じる。
一人で歩くのは本当に気持ちが良かった。その辺に咲いてるなんか赤い花とか眺めて写真撮ったりしてしまった。
ちなみにグランヴィルは留守番だ。ひたすら忍者と極道を読んでいたそうだ。
特筆すべきことのない県道を歩き、橋を渡ってボロ屋まみれの通りを抜け、ちょっと栄えた駅前で豚を狩りランチ。十字路の木陰に座って1時間ほど忍者と極道を読み耽った後、なんやかんやあって夕陽を眺めながら帰宅した。
(愉快なCMが流れる)
「うん、なんか、今までと比べると真っ当な日記感あるね。ちょいちょい何言ってんだコイツポイントあるけど」
グランヴィルにここまで書いた日記を見せて感想を言ってもらった。うんまぁ言いたい事はわかる。
前の2日と比べて、脳内から出てくるモンがだいぶ薄まってる。そのせいで普通にその日あった事をつらつら書いてる風になっているのが自分でも理解。
「その日あった事の部分も薄いけどね。これアレよ、だんだん普通の日記になってくやつ。そのうち私の存在消えるわコレ」
そこまでいったらカクヨムでやるには娯楽性足りないな……。
「そうそれ。カクヨムでやるには、とか考え初めてモチベ無くなって更新止まって最後はこのアカウント消すのよ」
うわー俺それやりそう!!
その時、ベランダに接する窓の外から眩い閃光が奔り、その光を背にして厳かな坊主が部屋にエントリーしてきた。
「私は聖ミッカボウズ。我が巡礼の旅路をよくぞ辿った。汝に加護を授ける。ヒッヒッヒ、さぁお前は三日坊主になるのだ」
なん……だと……?
「ヒッヒッヒ、お前は日記書くのに飽きてるんだヨォ!!自分の頭で考えるの面倒だよなぁそうだよなぁ?!その日あった事ただ書いた方がラクチンチンだ……でももう書くのやめようや!それが一番楽な選択肢ィ、つまり、三日坊主ダァ!!!」
コイツ勝手な事言いやがって!このシリーズの紹介文読んでこい、こっちは目的あってやってんだから引っ込んだろクソが!いけ、グランヴィル!忍手暗刃!
グランヴィルの暗刃が空気の壁を超えた音が部屋に響くと、邪悪なミッカボウズの首が庭の池に落ち、ピラニアの群れが喰らいついた。グランヴィルは残された身体を持ち上げて池に投げ捨てる。血の匂いに惹かれたチュパカブラが池に入りピラニアに襲われるのを眺めながら、彼女はいい感じのカッコいいポーズを決めた。
じゃあ最後は決め台詞で締めてくれ。我々は忍者と極道を応援しています。
「ブッ殺した」
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