こっちの多分日刊プリコラージュダイアリー

ドリルシールド

2023/04/30 群○県立×林美術館

 今、俺は館林の美術館にいて、展覧会を途中で抜け出してこれを書いている。

 赤い鳥、悪魔、首が白鳥の女。ずるいぞ俺もそういうの描きたいぞ小説でやりたいぞ。


 奇怪な虹のチケットを眺めながらスマホ片手にポチポチして探り探り書いてみている。綺麗にまとめようと思わなきゃ楽なもんだ文章なんて。


 カクヨムの下書きスペースに1ページも埋められずに放置してある小説なんかよりよっぽどやりやすい。他人の評価なんかすらん。誤字も放置してやる。


 大学時代、夜中飛び起きてエロ小説を一気に仕上げた時の気持ちを10年ぶりくらいに思い出す。あの時の熱を永遠に保ちたいんだよお前わかるか?

 俺は芸術家だ!そうだろうなぁ名無しちゃん!


 自分の左隣に美少女を配置する。今これを書いてるリアル隣に座って天気の話してるワンピのセミロング女子を勝手にモデルにさせてもらう。運が悪かったな。


「その情熱が明日まで持つならいいね。どうせ明日どころか夕方頃には飽きてんじゃないの?スターレイルだってまともにチュートリアル終わってないのに。スキルの解説からさっさと先進めなよ」

うるせえFGOのアケコラボとかもあるんだほっといてくれ。


 ところでいま美術館の職員さんに挨拶されたけど多分不審者に対する威嚇なのでつづきは展覧会全部みてからだ。名無しちゃんは雨降ってるけど外で待っててくれ。

「お前の妄想から解放してくれよキモイぞ」



(夢と自然の探究者たちを吸う音)



 さて、展示会を見終わって車内だ。感動したよ俺は目録買っちゃったもんね。感動ついでに名無しちゃん、今から君の名前はグランヴィルだ。よろしくグランヴィル。

「松井優征先生っぽさを感じて印象深かったのね」


 いやぁところで岡本太郎の作品なんて初めて生でみたぜ。それから……

「盛り上がってるところアレだけど帰りましょ。2時間半も美術館にいたからもうすぐ17時よ」

 ……ほんとは多々良沼一周歩くつもりだったんだけどなぁ。ウォーキングは不安を消し飛ばして心地よい疲れをくれる。

 いや館内でコレ書き始めたから遅くなったんだけど。

「どんなに歩いたって将来の不安からは逃げらないわよ。歩いてる方向から来るモノなんだから」

 助手席のグランヴィルから言葉で刺された俺は苦い顔でエンジンをかける。バックミラーを覗くと金属のうさぎが手を振っていたのでブレーキランプを5回点滅させ、車を走らせた。


 いやマジでいるんだって金属のうさぎ。妄想女子グランヴィルと違って実在するんだよ!


 (marvel映画のようなCGぐりぐりエンドロール)







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