第13話 教会にて創造神との会合
俺は、聞き込みを終えて教会の方に歩いていく。
「ご主人様、あの男は教会のシスターの1人と相愛のようです。しかも神がその事を許したと申しておりました。」
俺はそこまで詳しく知らないが、この世界には神が実在しており、シスターなど神に仕える者に時折「神託」や「啓示」をするそうだ。
ところで神の名は、畏れ多くて口にできないようだ。
元よりシスターは神に仕える者、結婚はしないようだがたまに神からの褒美で想い人と結ばれることがあるらしい。
そんな話をムラサキが聞き込んできた。
「と言うことはあの男はここに残る運命か。神との話し合いと行こうか。」
と言うと教会に足を踏み入れた。
1人のシスターが俺の前に現れた、歳の頃は10だ後半か。
「お待ちしておりました領主様。どうぞこちらに。」
と挨拶すらしていない俺を奥の礼拝室に案内するシスター。
「ここでお待ちください。」
と言うとシスターは部屋を出ていった。
すると俺の目の前の空間が歪んだのが分かった。
「ここは何処だ?」
と思わず口走った俺に
「神の庭ですよ。サガス モトムさん。」
俺の本名を呼ぶ声におれは、神の存在を感じた。
「俺に何か使命でも申しつけるのですか?」
と俺から聞いた、すると
「いいえ、何も。ただ貴方には好きに生きて欲しいだけです。その結果がこの世界の変化と繁栄をもたらすのですから。」
と言うといつの間にか俺は元の礼拝堂にいた。
「ムラサキ何か感じたか?」
「はい少しばかり、ご主人様の存在が遠くなったような感じがいたしましたが、それもわずかな時間です。」
と答えた。
「そうか、今し方この世界の神に呼ばれて話をして来たよ。」
「神とですか、それで何と。」
「何もない、好きに生きろだって。」
「流石ご主人様です。」
よく分からない言葉を言うムラサキ、俺は礼拝堂を出て先ほどのシスターを探した。
するとすぐに彼女が姿を現した。
「聞きたいことがある、場所はあるか?」
「はい、こちらに。」
と談話室のような場所に案内してくれた。
「今更だが俺は新しい領主として視察に来たセブンという者だ。お前に尋ねたいことがある。」
と言うと
「はい理解しております。先ほど来ていた者はこの地の代官をしていたカイロ様、とても素晴らしい人物ですので貴方様の部下としてお扱いください。それが神のご意志です。」
と答えた。
「そうか、分かったそのようにしよう。それでお前たちも幸せになれるのであろう。」
と話を向けると、顔を赤くして
「はい、その通りでございます。神の許しを得られたのでこれ以上の幸せはございません。」
と口にして喜びを噛み締めた顔を見せた。
「それでは一つお願いがある、ここの子供らのことについて教えてもらいたい。」
と言う話から今後の教会運営などの話をしながら時間を過ごした後、俺はそこそこ大金を
「就任祝いだ子供にうまいものと綺麗な服を着せよ。」
と言うと教会を後にした。
その後ろ姿を3人のシスターと15人の子供らが黙って頭を下げて見送っていた。
ーー 領主邸に戻り
領主邸となる代官の詰めていた屋敷に戻ると、できる部下を呼んだ。
何処かで俺の帰りを聞きつけたのだろう、すぐに俺が休んでいた部屋に訪れた。
「中間報告をいたします。ここの管理経営は全く問題ないようです、ただそれ以前の管理者はひどかったようです。その損失を現在行なっていてやっと目処が立った感じでしょうか。」
「なるほど、今の代官は優秀と言うことだな?」
「そうですね、優秀と言うか得難い人材のようですね。」
「神の御心のままか。 ・・・分かったその者を呼んでくれ今後も私の下で働く意思があるか確認しよう。」
「はい、すでに明日の朝にはここに呼んでおります。」
「分かった、手回しのいいことだ。他にも使えそうな人材はいるか?いれば全て明日確認したい。」
「はい問題ありません。」
と言うとできる部下は部屋を出ていった。
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