第11話 アレクサンドリアの街と領地との2拠点生活

10日程後の事、アレクサンドリアの街に帰り着いた俺らを追いかけるように王家からの書簡が届いた。

「なになに・・譲渡される領地は以下の場所であると・・・現在は代官が管理しているので交代するかそのまま管理させるかの判断を・・叙爵については、王国の証明証を同封しているのでそれで代用すること・・今回並びに年間の管理維持名目費については、奉書金に関する命令書に記載済み・・成程。」

書簡を読みながらおおよそを理解した俺は、領地の地図を見ながら辺境伯に場所と経路を尋ねた。

「おおー、ここを譲渡されたか。こちらの地図がわかりやすかろう、ここがアレクサンドリアでここが王都だそしてその中間に在るのが目的地だよ。」

「今回王都向かうために使った街道沿いにあったのですね。近いうちに向かってみたいと思います。」

と言うと

「その時は私の部下を同伴させると良い。問題点がある場合はすぐに対処できるだろうから。」

と言う言葉をいただき、お礼を言うと自宅に戻った。


ーー 自宅にて


俺はコロネなどをリビングに集めコレからの話をする。

「・・こう言う理由でここと別に領地をもらったのでそこにも屋敷を建てたいと思っている。どちらに重点を置くかは今の所不明だが、魔境に近い分ここが使い勝手がいいのは間違いないが、転移魔法またはゲート的な魔法が使えるようになれば、どちらでも問題ないと考えている。」

と言いながら彼女らのしたいことを尋ねた

「私は・・ご主人がいれば特に問題はない・・でも食事は美味しい方がいいかな。」

コロネが言うと

「私の得意分野は飛翔による観察だから、魔境に近い方が力を出せると思う。」

カティーが言うするとムラサキが

「私はご主人の側が良い。秘書という役割をしたい。」

と言い出した。

三人三様な答えに納得しながら俺は、

「俺とお前たちは従魔契約と念話でかなり離れていても目の前にいるように話や情報交換が可能だ。よって主にアレクサンドリアにいる者と新しい拠点か俺のそばにいる者に役割を分けたいと思う。」

と言いながら一つ加えた

「ただ、もう少し従魔か仲間が欲しいところだ。今回はコロネとカティーにここに残ってもらう。ムラサキは俺と共に行動してくれ。」

と命じてこの話は終わりにした。


そういえばこの屋敷の使用人の紹介がまだだっね(誰にだ?)


現在使用人は、

 ・執事1〜アルファー 40歳

 ・メイド2〜メイド長 カリア 40歳、メイド見習い ソフィア 14歳

 ・料理人1〜ゴンザ 20歳

 ・庭師1〜ケンゴ 45歳

の5人が働いている。

執事はとても気が利く男で、それでいて武威を感じる男だ。

メイド長のカリアは以前辺境伯で働いていたようで、貴族のこともよく知っている。

料理人のゴンザは、自分の店を持ちたい男で我が家の他には無い調理方法やレシピに興味があるようだ。

庭師は、以前ベテランの冒険者でならしたが足を怪我して引退したようだ。

コレらの使用人はほとんどが、辺境伯の息がかかっていると考えて良いだろうが逆に言うとおかしな者では無いということだ。


新しく貰った領地についても当然、王家の監視と随行の辺境伯部下の紐がつきそうだが、俺はそれについてはあまり気にしていない。

うまく運営ができるのであれば誰がきても良いと考えているからだ。



ーー 領地視察に向かう


事前に王家や辺境伯に連絡を入れて領地視察に向かうことになった。

視察員は、俺とムラサキと辺境伯のできる部活以下5名と俺と懇意になった商人2名だ。

商人は俺が辺境伯に提供した

・シャンプー、リンス、石鹸

・化粧水、保湿剤

・ゴム製品

・型紙による既製服

・ムラサキの糸で作った布地各種

・コンロ、トイレ、お風呂

などを扱う商人で、それぞれに分けて商売をしているようだが品不足に陥るほどの売り上げらしい。

今回俺が王家から新たな領地を貰ったことで、そこにも支店を出したいと今回随伴するようだ。


辺境伯領から3日ほどで目的地に着いた。

今までは街道を素通りしていたためこの地の情報がなかったが、今回は領地の特色や住民の状況を確認するのが目的でもある。


街道を外れ半日ほどで中央の街に着いた、ここに管理者などがいるようだ。

人口は領地全部で2000人ほど、街にはその半分の1000人が住んでいるようだ。


形ばかりの城壁があり、城門をくぐると空き地が目立つ街並みが見えてきた。

「あまり綺麗な街並みでは無いな。」

俺の第一印象だった。

「そうですね、ここは早くから王家が管理していた土地で特に産業などもなく住民も飢えなければいいかという感じなのでしょう。」

できる辺境伯の部下が言う。

一際大きな建物が見えてきた、代官がいる屋敷のようだが

「無駄に豪華だな」

「王家直轄地なのでどこも同じようなものです。」

俺の言葉に適切に答えるできる部下。


代官の男が屋敷入り口まで出てきた、引っ越しの準備は済ませているようで馬車が何台待機しているのが見える。

「もう出ていくのか、そんなにここが嫌だったのかな?」

「そうではございません。引き継ぎ時には全てを引き継ぐ必要があります、そのためコレから数日間彼らは近くの宿泊所に泊り監査結果を待つのです。」

「そうなのか、大変だな。それでこの代官たちをそのまま使いたい場合はどう手続きするのかな。」

と聞けば

「管理に問題なくセブン子爵様がお望みならその旨伝えてもらい、相手から了承を貰えればその後任命となる話です。ここなら王都からそこまで遠くなく平穏なので二つ返事で残る可能性もあります。特に今いる代官は行く宛がない者ですから・・・。」

最後に意味深な話を加えて答えたできる部下。

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