魔女
近くまで来てやっと気付いた。村から見えていた美しいお城が、まやかしだったということに。
「そんな……城が
お兄さんの顔色が、みるみるうちに青白くなっていく。
僕は僕で言葉を失っていた。けど声にならないながらも何か情報を得ようとして、僕は散らかった
そして家族が描かれた
『あなたたち、わたくしへ会いに来てくれたの? 嬉しいわ』
「フロレッタ姫……!」
奥の
「いや魔女! 今すぐ姫から出て行け!」
お兄さんは僕を背後へ送り、
『……あら、なんのことかしら?』
お姫様の姿を借りた魔女が小首を傾げる。
「とぼけるな! じゃあなぜ城が
『フン。美しい? こんな古い城が美しいなんて、あなた本気で言っているの? 私は
「——っ危ない!」
「うわ!」
時を移さずお兄さんが僕に
「まさか……!」
高らかに笑う声を背に、お兄さんは恐る恐る僕から顔を離す。その瞳に映った景色を見て、僕ははっとした。僕は耳打ちをしてから振り向いて、お兄さんの視線の先を追った。
村が炎で包まれていた。
「おのれ魔女!」
お兄さんは剣先を魔女に向けた。そして怒りに震えながら僕へ言う。
「すまない大輝。僕は魔女を……姫を
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