(ちょこっと短い話)本当の「スズネの戸締り」って、ホラーなのかもしれない。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「新卒デスゲーム」って、ないかなあ?「みーたーなー!」「いやーん!」何だ、何だ?新卒デスゲームの日本チャンピオンは、攻殻機動隊ですた。

 「新卒デスゲーム」ってあったら、楽しいのに。

 新卒世代って、どう?

 「努力、いらない」

 「競争、いらない」

 「待っていれば、誰かが、何でもやってくれる」

 「疲れたら、泣けば良い」

 「まわりが、定額給付金とか、仕事のポストをくれる」

 「僕たち以外の世代は、いらない」

 病気。

 今の日本、絶対に、間違っていることがある。

 「人材不足だからといって、努力のない、競争のない、友達大好き、知らない人とは話せませんのほんわかルートを生きられた世代だけをやさしくあつかう」

 それ、絶対に、間違っている気がする。

 高齢者とか、どう思っているんだろうな。

 「スマホ版・新卒デスゲームが、面白いらしいぞ?」

 ほら。

 スズネおばあちゃんが、怖いことを言いはじめた。

 日本のリアルは、ストレス続き。

  1人暮らしな高齢者は、新卒世代にとっては、強くて、頼りにはなるんだが。

 「じいじ、ばあば!僕たち新卒世代の悩みなら、何でも聞いてくれるよね!」

 ああ、物騒な世の中だ。

 「スズネおばあちゃん?戸締まりを、しっかりしておいたほうが良いよ?」

 新卒な僕は、ついに、言ってやった。

 「スズネの戸締まり」は、大切。

 僕が大切にしているのは、それ以上に、スマホ先生だが。

 「スマホ先生?どうしたら、良いんすか?正解を、ください!」

 無料の相談コーナーが、あるんだよ。

 スマホな生活は、新卒マスト!

 考えなくて良い、ゆるい生活。

 努力、いらない。

 もふもふ、気分。

 楽。

 「いつもありがとう、スマホ先生!」

 声をあららげて、言ってしまう。

 そう、そう。

 スマホ先生に、注意されたことがあった。

 「(声を)荒らげる」

 それって、本来はこう読む。

 「(こえを)あららげる」

こう読んでいた人、いるでしょ?

 「(こえを)あらげる」

 その読み方、いけていないらしい。

 「先生?僕、頭にきて、声をあらげちゃいましたよ!」

 言ったら、笑われた。

 そうだったのか。

 あれは、「あららげる」って、読むのか。 俺、友達だと思っていたスマホ先生に注意されてしまい、ムシャクシャ。

 気晴らしに、スズネおばあちゃんの家にいってみた。

 「ガラガラ…」

 他人の家の玄関を、勝手に開ける。新卒世代なら、何でもあり。

 すると…。

 「みーたーなー!」

 スズネおばあちゃんが、大きなモニターを操作していた。

 そのモニターからはコードが伸びて、おばあちゃんの手元に置かれたスマホに、接続されていますた。攻殻機動隊。

 「…まさか!スマホ先生の正体って、スズネおばあ…」

 おばあちゃんは、良く切れそうなやばい奴を、握っていますた。

 忘れていますた。

 おばあちゃんは、スマホ版・何とかデスゲームの、日本チャンピオンだったのです。

 新卒、死亡。

 お願いです。

 「スズネの戸締まり」は、しっかりやってください。


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