第418話 季節ダンジョン 12階


ヤクシとマリモちゃんはすぐに来た。不満はあるが我慢できる広さだったらしい。


ということは、あと2階ほど行けば満足するのでは?


12階もやっぱり藪である。俺は綺麗好きな猫なのでガサガサしないからウォータージェットで薙ぎ倒す。


うむ、今度は虎サイズで猫パンチ連打しながら森を進もう!突進しながらだと頭が痛そうだけど猫パンチなら大丈夫だろ。木をものともせずに一直線に走り抜けてやるのだ!


「うにゃにゃにゃにゃぁん!」


へいへいほー!


「へし折ってるのであって切ってはないな」


おっと!倒れた木からリスが落ちてきた!このリスは本体は弱いのにスキルが強いタイプのめんどくさい系モンスターだ。


回避とか投擲とか爆弾化とか持ってる、あと地味に擬態。


木の幹に擬態して隠れて上から爆弾化した木の実とかを投げてくる、見つけて攻撃しても高確率で回避されるから広範囲魔法とかで避けられない攻撃をしなきゃなのだ。


ただし、今回は何をすることもなく落ちて来てダメージ入って動けなくなってるからサクッと倒した。ラッキーだったな!


因みにドロップアイテムが何故かヒマワリの種だった。夏にヒマワリの種貰ってもしょうがなくない?食用じゃないから植えるための種だよね?植える時期考えて?


「うにゃぁ」


このダンジョンなんかズレてる。


「キュー」


ダンジョンだから仕方ない。とヤクシが言ったんだけど……お前居たの?マリモちゃんと一緒に飛んでったのかと思ってた。


グレイは走ってるから足音でわかってたんだけど、ヤクシは飛んでて音がしないから着いてきてるの気が付かなかった。


今日の俺は後ろを振り返らない猫だからな。


「にゃ?」


ヤクシこっちきたの?


「キュ」


森の方がアクロバティック飛行できるかなって。とスリル欲しさにこちらに来たようだ。


「キュー」


だから先に行くね。と俺を追い越して凄い速度で飛んでった。木々の隙間とかスレスレのところを抜けていったんだけど、なんかヒャッホーとか聞こえてくるんだが?


「ぶつかんないといいな」


「うにゃ」


ぶつかっても木の方が折れる。


いうてもドラゴン、魔力ガード付き。多少頑丈になっているとはいえ、12階の木ごときには負けない。


なお、たまにトレントがはえているので注意が必要。因みに俺は見て回避してる。


「にゃぁ」


それにしても山が険しくなってるな。


「人間なら疲労が凄いだろうな……猫のマスターが平気な理由が謎だが」


「うにゃ?にゃにゃ」


知らんのか、猫は元々山猫が由来なんだぞ?あと持久力上げまくった。


たぶん持久力上げの方が理由として正しいはずだけど、山猫由来推しだ。


「山…猫……?」


猫動画で野生を失った猫たちを見ているグレイは生命の神秘に触れてしまったようだ。キョトン顔である。


「うにゃ」


あ、なんか岩場出てきた。


木が少なくなり、巨大なゴツゴツとした岩が露出しているエリアになった。生えてるのは雑草や低木が少々。


まだ歩いて登れるくらいだけど、足場が悪い感じだ……人間にとってはな!


ハッハッハッ!四つ足最高!滑って滑落する危険性がそもそも人間より低いし、重心も下なのですいすい登るわっ!


まぁ、ちょっと行ったらすぐにエリアボスなんだけどな。因みにここのエリアボスは高さ1mの鳩である。

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