第416話 季節ダンジョン 11階ボス前
「にゃぁぁっ!」
いい運動だけど遠い!
坂道も木の枝ジャンプも楽しくて、いい運動になっているんだが、いかんせん遠い。
たまにアクシデントというか、モンスターは居るんだが、ずーっと森だと飽きる。スタミナに問題は無いが気分的に飽きたというやつだ。
だって俺は猫だし、植物を見て植生がどうのとか、この木は○○だとか楽しめない!薬草とかならグレイが地味に採取してるし、モンスターは走りながら魔法で余裕だし、ドロップ品はグレイが回収してるし。
……グレイだけやること沢山だなぁ?え?拾いに行けばいいって?いや、俺、走ってるんで。
今から、木の幹を蹴って三角跳びを連続でやって先に進むチャレンジしなきゃだから拾えなぁい。
因みに、持てるのにドロップ品を持って帰らないと、そのダンジョンのドロップ率が下がるという迷信があるので、探索者は必要無くてもドロップ品を持って帰るように言われている。
迷信なのか本当なのかわからないが、だいぶ初期の頃にギルドから言われていることなのである。
「にゃ!」
蜂の巣!
なんか凄い羽音聞こえてきたと思ったら蜂の巣が木にくっついていた。おのれ!俺の三角跳びチャレンジを邪魔して!許さんからなぁ!
「うにゃ!」
蜂の巣といえば冷却ジェット!
大体の虫は冷気を噴射すれば、死ぬ!なんか40cmくらいのスズメバチ型でモンスター名がダンジョンスズメバチとか長い名前でそのまんま過ぎるけど、凍らせればモンスターもやれる!
えーと、だから、広範囲に冷気をブワァァッてやりたいからぁ…冷と……冷却ビーム的なやつだ!
「にゃぁぁっ!」
ビィィィィムッ!
蜂の巣の周辺を薙ぐようにビームを横移動させて蜂を凍らせてやった!
ただ、蜂の巣はでかいのだ。木の枝に板を垂れ下げました感じのデカさなのだ。だから中までちゃんと凍ってるか不安。
因みに蜂はモンスターだが、蜂の巣は採取ポイント扱いでラック値で採取物が変わるやつである、しかし中には生きた蜂の子(小爆発して巣を破壊するトラップ)がいるので処理してから採取する必要があるのだ。
「…にゃ」
…大丈夫っぽい。
しっかり中まで凍ってるようなので、採取スキルを使って蜂の巣を木から切り離した。
まぁ、ダンジョンの不思議で蜂の巣を切り離した途端に複数の瓶に変化しちゃうんだけどな。蜜蝋にロイヤルゼリーに蜂蜜、そして蜂の子(食用)である。
「…スズメバチから蜂蜜」
なんかグレイが微妙そうな顔をしてるが、ここはダンジョンなので問題ない。どんな蜂型モンスターが守っていても、ダンジョンの蜂の巣からの採取物は大抵蜂蜜だ。
「うにゃぁ」
それにしてもドロップ品が散らばって拾うの大変。
今度小ダンジョンでドロップ品を自動で回収するスキルが欲しいって言っておこう。
「それよりマスターそろそろ山頂では?」
「にゃ」
そう。
もうちょっと行けば山頂の広場に出る。だってチラッとエリアボスが見えてるもん。
「うにゃぁ」
エリアボス、クワガタっぽい。
「なんかちょうどエリアボスの真横に来たみたいだな」
艶っぽい焦げ茶色の何かが動いてるなぁって思ってた。一瞬Gを疑ったけどハサミが見えて安心したのは内緒だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます