第407話 騎士の墓
そして、遠征初日。
学校は遠征のための期間が設けられているため、早く終らせればそれだけ自由時間になる。
殆どのパーティーはここで早めに課題を終わらせてレベル上げに勤しむらしい。
僕らは勉強時間にする予定ではあるけど、時間どころか日数が余るので、ダンジョン入った翌日は休んで、次の日から登校しろと言われている。
「というわけで、皆の分の消臭マスク渡しておくね」
「銀の分まで!これ後で正規の値段調べて渡すわ!ありがとな!」
「拙者も。ありがとうござる」
「マイナー過ぎてこういう便利アイテムについては調べが甘かったな、ありがとう神木。料金は後日渡す」
「僕もミロクに渡されて存在を知ったんだよね。あと銀のはテイムモンスター用がなかったから試作品らしいよ、使用感を聞かせてくれたらお金はいらないって」
例のごとく、作ろうと思ったら出来ちゃったやつだ。
一般的に獣型のテイムモンスターはアンデッド系ダンジョンには出さないらしく、テイムモンスター用の消臭マスクは作られて無いらしい。
まぁ、マスク付けてまで獣型出すより他のテイムモンスター出せば良いもんね。別にアンデッドに特攻なわけでもないし。
というわけで、騎士の墓ダンジョンに突入した。
1階は鎧、リビングアーマーという中身の無い鎧が襲ってくる。因みに無機物系アンデッドとか言われてるが、固くて破壊は手間がかかる。
ただ、初級に出てくるようなアンデッドは総じて魔法に弱い。ハンマーで叩いてもちょっと凹むくらいだけど、ロックボールの魔法が当たればべっこり凹む。
因みに騎士の墓というように、リビングアーマーは盾と片手剣を装備してる。
「このダンジョンってさぁ出てくるモンスターの階層がちょっと変だよね」
「まぁ、スケルトンよりリビングアーマーの方が強いモンスター感あるよなぁ」
「明らかにゾンビの方が柔らかいでござる」
「ゾンビじゃなくてミイラならまだ固かったのにな」
「わん!」
鎧弱い!
レベルが低いので銀が魔法無双してる。僕らは銀の倒したリビングアーマーのドロップを拾うだけだ。
まぁ、初級だし、ダンジョン内も複雑な構造はしてない遺跡風迷路だ。地図もあるし、簡単に2階の階段についた。
僕らは消臭マスクを装着する。
次はゾンビかぁ、魔法も何を使うか考えないと、色々飛び散りそうで嫌だ。
3階に行ったらマスクを取る前に消臭は絶対しなきゃいけないから、わすれないようにしなきゃ。ミロクに持たされた消臭剤霧吹きが大活躍する予定だ。
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