第168話 ある意味一番役にたったスキル
僕のユニークスキルならカラスにも言葉は通じる筈だからと、朝一でカラスに向けて全国災害放送用のスピーカーから放送した。
『小ダンジョンのボスに挑戦しようとしている野生動物の皆様、獣人を選択した際はお近くのギルドまでご報告ください』
街中どころか全国で一斉に放送される、どこの市町村でも設置してあるスピーカーだ。どこのギルドからでも放送可能らしい。
これを何回か繰り返す。
ピーちゃん曰く、何故かギルドの情報も知識にあるらしい、獣人になって一般常識が入ったら人間のコミュニティに入らなきゃいけないって気持ちになるので、野生の獣人が居る可能性は低いんだとか。
というか、そもそも野生動物が小ダンジョンでゴブリンを倒せるくらい繰り返し小ダンジョンに入るとは想定していなかったらしい。
もし倒せても獣人になろうと考える野生動物が出てくるとは思わなかったと、お役所の人が悩んでた。
高村さんはミロクからの情報を政府に投げたらしい。
まぁ、僕も高村さんに教えてからギルドの仕事じゃないなって思ってたよ。
そんなわけで朝一に高村さんから連絡もらって政府の人を紹介された。
なんだかボロボロな感じだったけど、回復の水でコーヒーキメたんで!とか笑顔で言われた。
政府の人と役所の人に見守られながら、渡された原稿を読んで放送するだけのお仕事だった。
「大事になる前に対処出来たことを喜びましょう!」
「ギルドに獣人の戸籍登録関係の受付を作りましょうね!」
「役所にいきなり獣人がくるくらいならギルドのほうがマシ!喜んでギルドに職員出張させます!」
……大人って、大変だなぁ。
これでどれだけ獣人が出てくるかわからないけど、僕の仕事は終わったので帰った。
ミロクたちは置いて来たんだよねぇ、グレイにお願いしてきたんだ。
ついて行きたいとは言ってたけど、まだ眠そうだったし、直ぐ終わるって言ってたからね。
帰りついた時、ミロクは玄関で二度寝していた。
僕が抱っこしても起きないくらいの熟睡だったので、猫部屋のクッションの上に移動させて、起きてくるまでゆっくりと朝ご飯を食べたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます