フシャー!

第78話 ダンジョン初期勢の苦労の結果


肉系ダンジョンでは大変なことに巻き込まれてしまった。


家に帰って寝てたらご主人が帰って来たので、今日あったことを説明した。


「うわぁ……そのタンクの人にお礼しなきゃね」


「にゃ」


「あ、一応連絡先はきいてきたの?ナイスミロク」


「うにゃん」


「あー、後で採取の魔石渡すの?良いんじゃない?」


採取は持って無いって言ってたし、料理はするらしいから色々採れたら便利だと思って。


ご主人も何か用意しようかと言ってたけど、それはタンクオジさんに遠慮されてたから伝えた。


「そっか、子供に物を要求するとか胃が痛いからやめてって言われたんだ」


「にゃ」


タンクオジさん普通のオジさんだったからな。


高校生に菓子折り持参でお礼とか、凄くいたたまれない気持ちになるらしい。


「じゃあ、お礼だけ言わせてね」


ご主人は俺のスマホでタンクオジさんに電話し始めた。


……ご主人って電話で話ながら頭下げちゃうタイプなんだな。


「キュー」


「にゃ」


ヤクシがニュース始まったと教えてくれたんだが……


俺とヤクシのカメラ映像がバンバン使われてる。


亡くなった報告されてるが、この世界では調べてわかる禁則事項を調べず死んだ場合は自業自得って感じらしい。


むしろ積極的自殺だととらえられて保険金等も支払われない場合があるみたいなことをニュースが説明してる。


それでもダンジョンでの死亡報告ってことでコメンテーターがわちゃわちゃ言ってた。


最近の若者がどうこうってのは世界が違ってもあるんだなぁ。


調べものをしても四肢欠損レベルの大怪我する奴等は居るし、戦闘は命懸けであることは変わらないので、調べる調べないはその人の心持ちの問題です。って言ってるが免許とるときにちゃんと事前調査しないと駄目って言われてるんだよな?


「キュー?」


ヤクシも首かしげてんじゃないか!


「これコメンテーター人選ミスなのでは?」


あ、ご主人!電話終わったのか?


足に頭突きしてスリスリ。


「あ、他の人がちゃんと事前調査しないと駄目ですよってフォローしたね………あのコメンテーター、高村さんに燃やされなきゃいいけど」


高村ならやりそう。


間違ったこと言うんじゃない!ってコメンテーターのSNS炎上させそう。


「でも久しぶりの死亡報告だね、幸いだったのはミロクたち以外の人は2階への階段付近に移動してて大爆発の直撃はしなかったことだよね」


それな!どうやら他にも人が居たらしくて、群生地から離れてたから流れ弾が当たって多少穴が空いた程度で済んだらしい。


タンクオジさんに聞いたおっさんのやらかしの時は高村がファインプレーだったらしいが、今回は高村居なかったし。


下手すれば大量殺人だったんだから元凶だけで済んで良かった、とニュースが言ってる。


うぅむ、この世界の人ってドライなのかダンジョン関係だけ覚悟ガンギマリなのかわかんないな?

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