はぁ!?

第23話 小ダンジョンと飼い主


ミロクと佐藤さんが小ダンジョンから帰って来た日の夕方。


学校から帰って来たら、ミロクから行くぞ!と言われて連れて来られた小ダンジョン。


「ミロク?」


「にゃ!」


どうやらミロクは僕に小ダンジョンを攻略させたいみたいだ。


ミロクの小ダンジョン配信は秘匿性が高いからギルドのみだったんだよね、後で絶対動画をあげるって高村さんは言ってたけど。


「えぇ?僕学校帰りで疲れてるんだよ?」


そう言うと、ミロクはペットボトルに入った水を出してきた。飲めと言いたいらしい。仕方ないから飲んでみたらスッと疲労感が消えた。


「……これ、何?」


「にゃん!」



「いや、水!じゃないんだよ?普通の水じゃないよね?」


目を反らすんじゃないよ!……ダンジョンで回復効果のある水って、あの!超レアな回復の水じゃないよね!?


「……いや、いいや。うん、これは水だね!ありがとうミロク」


「にゃ!」


もう、気にしないことにしよう。ミロクが小ダンジョンに入れって言うなら入ったほうが良いんだろうしね。


「お邪魔しまぁす」


「にゃぁ」


こうして、僕は小ダンジョンに入った。



魔苔っていうのを剥がさせられて、ただの水餅なスライムを叩いて、虫を潰し、耐性をゲットして、ちょっと大きくて固くて気持ち悪い虫たちを半泣きになりながら倒した。


通常、ダンジョンで初めてモンスターを倒すと職業が得られるんだけど、小ダンジョンの魔苔や虫たちはモンスターに数えられて無いみたいだ。


『でも鑑定だとモンスター表記なんだけどなぁ?』


ミロクがスマホで鑑定結果を教えてくれてたけど、鑑定って便利だね。


『これ、だからボスが毎回ゴブリンなのかな?ゴブリン倒して職業ゲットするまでが小ダンジョンのお仕事なのかも?』


「また新情報出ちゃうかもね?」


一応、撮影はしてるんだよね。ミロクの成長記録でもあるから。


それにしても、ミロクの魔力操作が凄いんだけど?魔力で透明な爪を作ってひっかくとか、どうやってるの?


ミロクに聞いても擬音しか出てこないからわかんないよ。ミロクって感覚派なんだね。


スッてやってぎゅんてやってぎゅって固めてしゃきんって感じ!とか言われても。


「にゃあ!」


「扉だ、ここがボス部屋かな?あと、この水場って、さっきの…」


「にゃ!」


頷かれちゃったよ。佐藤と一緒にペットボトルに入れたんだ!とか言われたよ。


「ミロク、ちゃんと佐藤さんって呼ばなきゃ」


「にゃ?」


「そこ?じゃないよ、礼儀は大切だよ」


「にゃ」


善処しますって、絶対やらないやつじゃん!まぁミロクは猫だし、仕方ないかな?



希少性は無視して水を飲んで回復して、ボス部屋を開ける。


うーん、ちょっと屈むくらいなんだけど、やっぱり戦いにくいなぁ。


「天井がもっと高ければ皆ちゃんと小ダンジョンに来るのにねぇ?」


「にゃ」


仕方ないから振り上げられない剣を突きの形で構えて、姿勢を低くしながら走り寄り、心臓目掛けて突き刺した。


普通のダンジョンのゴブリンより動きは鈍いし強度もないってミロクが言ったので、胴体狙いでやってみた。


モンスターは生命力あるから、刺したら捻りながら抜いて離脱、警戒しながら様子見して……うん、魔石に変わったね。


「あ、職業選択画面出てきたよ。僕の適性は何かな?………あれ?全部の初期職業から選べるの?ねぇミロク!今スッてヘルプの項目出てきたよ!?」


『ダンジョンさんが職業の説明が必要だなって思ったんだろ、ミロクにも見せて』


ミロクが肩に乗ってきたのを確認して、ヘルプを開いた。


えぇと、チュートリアルダンジョンとは?


初期職業から選択して職業レベルが30になったら一人前ってことで、その職業を保存して、他の職業を新たに選択可能とは?


何もしない場合はレベル40で上位職に進化……は今までの常識だったやつだね。


進化保留で別職業を選択することも可能ってのは知らないなぁ。


そもそも別職業を選択できるのはちゃんとチュートリアルをクリアした人だけ。とか書いてあるなぁ……


因みに動物は職業の変わりに動物系スキルを最初から持ってる状態らしい。


ひっかくとか、かみつくとか、軽業やスタミナアップとかが例としてあげられる。



ついでに鑑定やストレージも人間より出やすいらしい。


「なんか結局新発見だねぇ」


これ、けっこう取り返しがつかない系だけど大丈夫かな?

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