第141話 ドラゴン

 冒険が始まって数時間、アキラたちはレベル90のようやくボスステージに辿り着く。




「はぁはぁ……レベル90、ヤバいですわね……」


「ええ……さすがに過去イチの強さですね……」




 多くモンスターとの戦いで、ボス戦を前に満身創痍の3人。




「……いよいよボスモンスターだ……いくぞ!」




 ボスモンスターが姿を現す。


 ボスはドラゴン。間違いなく過去最強のモンスターだ。




「ド、ドラゴンと来たか……」


「ま、まじですか……」


 最強のモンスターの登場に固まる3人。




 ドラゴンは剣のような鋭利な爪でアキラ達を襲う。




「うっ!」


 振り下ろす爪は今までのどんな剣士よりも強力な斬撃だ。


 必死に剣で応戦するアキラとまどか。


 ドラゴンに反撃するも、鉄のように硬い皮膚が剣を弾く。




「く……とんでもない硬さだ! 半端な攻撃じゃ効かないぞ!」


「はい……爪もやっかいですね。10本の剣を相手にしているようなものですわ!」


 爪を防ぐのに精いっぱいな2人を見て、後方から花子が魔力を貯める。




「……くらえッ!」


 全力の魔法を使うと立っていられない。


 花子はギリギリのところでセーブしながら火の球を放つ。




『ゴゴゴ』


 自分に向かって飛んでくる炎に気づいたドラゴンは大きく口を開く。


 そして、花子の火の球を飲み込むほどの炎を吐きだす。




「うわぁぁぁぁああ!」


 アキラの体をドラゴンの炎が焼く。




「ア、アキラさん!!」




「ぐっ……」


 アキラさんは地面を転げまわり炎を消す。


 防御力アップアイテムのおかげもあり、致命傷には至らないがダメージを受ける。




 ドラゴンは攻撃の手を緩めない。


 倒れるアキラめがけ、嚙みつきに来る。




「くそっ!」


 接近するドラゴンの顔、巨大な牙がアキラに迫る。




『キンッ!』




「だ、大丈夫ですか、アキラちゃんねるさん!」


「まどかちゃん……助かった」




 間一髪のところでまどがの『雷神の剣』がドラゴンの牙を受け止める。




 まどかはそのまま剣を振い、ドラゴンの目に剣を突き刺す。


『雷神の剣』の効果で電流が走る。




 暴れまわるドラゴン。アキラも立ち上がり剣を握る。




「チャンスはここしかない!」


 盾を投げ捨て、『ドラゴンの剣』を両手で握りしめる。




「うおおお!」


 ドラゴンの腹をめがけて飛び掛かる。剣がドラゴンの皮膚を突き破る。


 この斬撃にはさすがのドラゴンも身悶える。




「花子姉さん! 今ですわ!」




 後方では控える花子に声をかけるまどか。


 花子は炎魔法の準備をしている。


「もう温存している余裕はない! 全力の一撃でいきますっ!」




 巨大な炎の渦がドラゴンを襲う。


 フルパワーの花子の魔法はドラゴンを飲み込んだ。


 ドラゴンを覆いこみ燃え盛る炎。




「うう……」


 全力魔法の影響でフラつく花子。




 炎の中では瀕死のドラゴンが。




「まどかちゃん、いくぞっ!」


「はい……っ!」


 アキラとまどかは最後の力を振り絞り、炎の渦ごとドラゴンを斬る。




『ザンッ!』


 ドラゴンは雄たけびをあげ、倒れこむ。




「はぁはぁ……頼む、もう俺達は立てないぞ……」


 祈るような気持ちで炎を見るアキラたち。




 祈りが通じたのか、しばらくし、炎が消えるとドラゴンは砂になり消滅した。




「や、やった……!」




 倒れこむアキラ。


 3人はレベル90のダンジョンをクリアした。





★★★★★★★★★

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