第109話 レベル60
久しぶりの3人でのダンジョン冒険。
今のアキラたちは2人ならレベル50、3人ならレベル55をクリアできるというレベルだ。
「今日は3人だし……レベル60のダンジョンに挑戦してみたい?」
アキラが提案する。
「レ、レベル60!? 55だってギリギリだったんですよ?」
「うーん、でも私の剣がレベル60に通用するのか確かめてみたい気持ちもありますわね」
3人はレベル60のダンジョンに入ることにした。
危なくなったら、すぐに『脱出の羽根』で逃げるつもりだ。
過去最高レベルのレベル60 。
「うわー、嫌な雰囲気だね……」
ダンジョンに一歩踏み入れると、モンスターのオーラなのか凶々しい雰囲気に満ちていた。
モンスターがゆっくりと姿を現す。
「あれがレベル60のモンスターか……行くよ! まどかちゃん!」
「はい!」
アキラとまどかがモンスターに飛びかかる。
剣士の2人が前で戦い、魔法使いの花子が後ろからサポートというのがこの3人の戦い方だ。
アキラの剣がモンスターを突き刺す。
しかし、一撃では怯むことのないモンスターは反撃をする。
「ぐっ! さすがに強いな!」
盾で攻撃を防いでいる中、まどかがモンスターに剣を振り下ろすもモンスターは回避する。
「え!?」
自信のある超高速の攻撃を避けられる驚くまどか。
「2人とも離れて!」
後方からの花子の声で、2人はモンスターから離れる。
「はぁっ!」
花子は火の玉を飛ばす。
直撃し、燃え盛るモンスターにアキラとまどかが剣での連続攻撃。
やっと一体のモンスターを倒すことができた。
「はぁはぁ。これがレベル60……ボスでもない普通のモンスターを一体倒すので一苦労だな……」
一体倒してホッとしたのも束の間。
ここはダンジョン、次から次へとモンスターは現れる。
「や、やばいね……あの強さのモンスターがウジャウジャと……」
「これは『脱出の羽根』を用意しておいた方がいい良さそうですわね……」
「とりあえず、やれるところまでやってみよう!」
3人はモンスターとの激戦を繰り広げる。
1対1なら時間はかかるが何とか倒せそうだ。
しかし、一度に数回のモンスターが襲ってくるダンジョンでは、常に冒険者は数的不利な状況で戦うことになる。
必死に戦う3人だが、気づくと辺はモンスターに囲まれていた。
「あー……やばいな……よし! ここまでだ!」
アキラは『脱出の羽根』を振りかざす。
3人は光に包まれ、ダンジョンの入り口、ロビーにワープした。
「ふぅ……やばかったね……」
「ええ、レベル60 は調子に乗りすぎましたわ」
「そうね、まずはレベル50代で鍛えつつ、レアアイテムを集めていきましょう」
レベル60の恐ろしさを知った3人だった。
「それにしても、この『脱出の羽根』は便利だなぁ」
「そうですね。これがなかったら死んでましたね」
「……あの」
まどかが何かを言いたそうにしている。
「もしよかったら……アキラちゃんねるさんの1番高いレベルのダンジョンを覗いてみませんか?
クリアできる訳は無いんですけど、『脱出の羽根』があればすぐに逃げれるし……」
「なるほど! 確かにどういうダンジョンなのか気になるな!」
「いいわね! チラッと覗いてみましょうか」
アキラたちは番号の書かれた扉が並ぶロビーの1番奥へと進む。
★★★★
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