第81話 高額買取
「おう、久しぶりだな。今日はなんだ?」
「お久しぶりです。今日もアイテムの買取をお願いしたくて」
アイテムショップへやってきた3人を髭モジャ店長が出迎える。
「あぁん? ……お前らのことだから、どうせカスみたいなアイテムなんだろ?
まあい。で、アイテムはどこだ?」
店長はキョロキョロとアキラたちの周りを見る。
「あ、アイテムなら外にあるんで……一緒に運んでもらえますか」
「外だぁ? ったく、自分で運べよ、そんぐらい……えっ!?」
店の前に積まれた、段ボールの山。3人で数週間、回し続けたガチャのハズレアイテムだ。
「お、お前ら……これは……?」
店長は目を丸くする。
「ふふふ、査定お願いしますよ!」
段ボールを運び込み、アイテムの査定が始まる。
「お、おい! なんだ。このアイテムは!? 前みたいなカスアイテムじゃないぞ!
レア度★★☆☆☆や★★★☆☆ばかりじゃねェか!?」
店長が驚くのも無理はない。
数ヶ月前までは素人同然だったアキラたちが、大量の良いアイテムを売りに来たのだ。
それも、どのアイテムもガチャをパスして手に入れた、そこそこレア度の高いアイテムだ。
「値段付きそうなアイテムはありますか?」
「ああ! 今回のアイテムはいいぞ! 使えるアイテムばっかりだ。査定するからちょっと待っててくれ!
…ところでお前ら、いきなりこんな良いアイテムを持ってきてどうしたんだ……?」
アイテムの持ち込みはありがたいが、『どっかから盗んできたんじゃないか?』と言わんばかりに不審な目でアキラたちを見る店長。
「ははは、実は……最近は冒険を頑張ってまして……」
濁すアキラ。店長の事は信頼しているが、自宅にダンジョンがあること、そしてまどかの見つけたガチャをパスする裏技の事は黙っていた。
「……もしかして、ダンジョン省ってのが関係してんのか?」
店長は神妙な面持ちで言う。
「ダンジョン省……? 農林水産省とか国土交通省みたいなヤツですか?」
聞き慣れない言葉だ。
「あー……関係ねェならいいんだ。気にすんな」
「??」
ポカンとするアキラ達だった。
◇
査定が終わった。
今回のアイテムはかなりの高値で買い取ってくれると言う事だった。
「すごいッ! こんなにいいんですか!?」
これなら目的の能力アップ系のアイテムを買えると喜ぶ3人。
「もちろんだ! 今日持ってきたアイテムだったら、すぐに買い手が見つかるぜ! またいらないアイテムがあったら持ってきてくれや! レア度★★★★☆でも★★★★★でも大歓迎だ!」
「はは……レア度★★★★☆なんて、なかなか手に入りませんよ……」
とぼけるアキラだった。
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