第13話 新アイテム

「あ、そろそろダンジョン配信始めるってSNSで告知しておきますね!」


「SNS? いつの間に……」


「今の時代、ライブ配信の告知は当たり前ですよ。ライブ配信は視聴者がいてナンボなんですから!」


 SNSも活用し、『アキラちゃんねる』の登録者は増え始めている。

 花子とチームを組んで本当によかった。アキラはそう思った。



 新アイテム『黒のヘルメット』を装備し、今日もダンジョンへ向かう。


「お、いい感じのヘルメットだ! 頑丈そうだし、サイズもピッタリだ」


 ダンジョンアイテムは異世界の不思議な力で作られている。

 頭を守るヘルメットだが、頭以外の箇所も防御力は上がる。

 この不思議な力はダンジョン内限定で、現実世界で使ってもただのヘルメットになってしまうのだ。


「ふふふ、私のセンスで選んだんだから当然ですよ。私の『防御の指輪』もピッタリサイズで最高です!」


 もちろん、花子の指輪も全身の防御力がアップする。



「さて、今日はどのレベルのダンジョンにしよっか? レベル1、レベル2と来たから次はやっぱりレベル3かな!?」


 ズラッと扉が並ぶロビー、新装備にウキウキのアキラが言った。


「そうですね……今日はカメラも装備も新しいので、試す意味でも簡単なのがいいですね」


「確かに……そうなるとレベル3かな? そういえば……1回クリアしたダンジョンもまた入れるのかな?」


 アキラはレベル2の扉を開き中を覗いてみる。

 ダンジョン内は前回と同じような雰囲気。


「あっ! 何回でも冒険できるみたいだね!」


「じゃあ今日はカメラテストも兼ねて、またレベル2にしましょうか。

 コウモリのモンスターもなかなか手ごわかったですし、いいやられっぷり期待してますよ!」


「やらっれっぷりね……やらせみたいで嫌だなぁ……」


 花子は『アキラのやられる姿はウケる!』と確信していた。



「じゃあ、さっそくカメラ回しますよ」


 花子は新しい高画質のカメラで撮影を始める。


 SNSでの告知のおかげで配信前から視聴者が大勢待機している。


「ゴホン。 こんばんわ! 『アキラチャンネル』はじまりました!

 みなさん! ヘルメットを被ってますけどアキラですよ!

 今日は、前回と同じくレベル2のダンジョンへ行こうと思います!」


 ◆コメント欄◆


【名無し あれ? 目出し帽やめたんだ】



【名無し そのヘルメット見たことあるな。ダンジョンアイテムじゃないか?】



【名無し おいおい、画質メチャクチャ上がってんじゃん!】



【名無し アシスタント雇って、カメラ買って、ダンジョンアイテム装備して……新人が調子乗んなよ??】



『アキラちゃんねる』も今日で3日連続の配信だ。

 固定視聴者もだんだんついてきた。


「それでは! いざダンジョンへ!」

 アキラはレベル2の扉を開く。






★読者様へ★

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