第82話 ダイマオウ?

「「「ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」」


 キミすアブラの人たち、司会者、審査員の人たちが苦しみながら倒れた。


 えっ、なんだ!?

 司会者が突然光って、姿が変わったぞ!?


 なんだあのデカいマヨネーズ色のとげを生やしたウニみたいなヤツは!?


 他の連中は、遠くてよく見えないが、赤い着ぐるみのようなものになっているみたいだな。


 あれは変身が解けたモンスターなのか?



 おや?

 ステージに緑の全身タイツを着た人たちが現れたぞ。


 しかも、黒マスク父さんまでいるじゃないか。


 あの人たちは、イベントの運営委員なのかな?


 倒れた連中を調べているみたいだな。



「な、なんだ、何が起こったんだ!?」

「まさか飯に毒が仕込まれていたのか!?」

「『そーっすね』の連中の仕業か!?」

「おい、落ち着けよ! まだそうとは決まってねぇだろ!?」

「いや、だが、この状況ではなぁ……」

「『そーっすね』の連中の仕業なら、こんなあからさまなことはしねぇだろ!」

「それもそうだなぁ……」

「なら、これはなんなんだよ!?」

「知るわけねぇだろ!」


 周囲の観客たちも動揺しているようだな。



「事件のニオイがするわ! ワタシたちも行ってみましょう!」


「分かりました」


 キイネーゼ、シエーウユ、シルゥーカ、セゼネーキがステージの方に行ってしまった。



 ん?

 何かが体の中に入って来ているような感じがする。


 なんだこれは?


「あら? 何かが究極超雄魔女きゅうきょくちょうおすまじょの体に、入って来たようですわ」


 魔女ガネモヨ・クダモがそう言った。


「確かにそんな感じがしますね」


 聖女マユメ・アイ・コトリハがそう言った。


 封印されている連中も感じるのか。


 なら、俺の気のせいではないんだな。


「これはおそらく多数のモンスターを倒したせいでござる」


 賢者レーロナネ・ウーマヒグがそう言った。


 ああ、なるほど、そういうことなのか。


「色狂い送りおおかみ、身体能力が大きく上昇している可能性があるでござる。力加減に気を付けるでござる」


 ふむ、なるほど、気を付けよう。



 さて、俺たちもステージに行ってみようかな。


「お集りの皆様、大変申し訳ありませんが、残虐ざんぎゃく闇黒あんこく料理決闘りょうりデュエルは中止とさせていただきます! お気を付けてお帰り下さい! それから、ステージには近寄らないでください! ご協力よろしくお願いします!!」


 と思った直後、このようなアナウンスが流れてきた。


「もう帰った方が良さそうでちゅよ」


「王総理将軍、どう思われますか!?」

「王総理将軍、お答えください!」


「え~、私もそう思います。帰宅しましょう」


「そうだな」


 俺たちは、キイネーゼたちに挨拶して帰路に就いた。



 町中を歩いている。


 なんか体がすごく軽いな。


 それに全身に力がみなぎっているぞ。


 いったい何を倒したのだろうか?


 帰ったら、確認してみようか。



 自宅に着いた。


 すると、昼食ができていた。


 母親の存在はありがたいなぁ。


 では、いただくとしようか。



 食後、自室に戻って来た。


「さて、ステータスを確認してみるか。アルヴェリュードさん、頼むよ」


「了解でアリマス。履歴書オープンでアリマス」


 俺の前に白い紙のようなものが現れた。


 では、見ていこうか。



 学歴・職歴の欄に追記がある。


 『アカ九角ゴリキグルミ 七体』

 『アカ九角トラキグルミ 五体』

 『大マヨ王マヨネーズ千角タマキグルミ 一体』


 と書いてある。


「だ、大マヨ王!? マヨネーズ千角タマキグルミ!? なんだこいつは!?」


「王総理将軍、どう思われますか!?」

「王総理将軍、お答えください!」


「え~、これは予言書に記載されていたダイマオウの一体である可能性がります」


「えっ、こいつはダイマヨオウだろ? ダイマオウではないのでは?」


「王総理将軍、どういうことなのですか!?」

「王総理将軍、間違えてしまったのですか!? お答えください!」


「え~、よく思い出してみてください。予言書の『ダイマ』と『オウ』の間は、なぜか改行されていました。これは不自然だと思います」


「そういえば、改行されていたでござる」


「『ダイマ』と『オウ』の間に、別の文字が入っていても、不自然ではないというわけか?」


「王総理将軍、そういうことなのですか!?」

「王総理将軍、お答えください!」


「え~、その通りです」


「ええ……」


 なんじゃそりゃぁっ!?


 なんでそんなことになるんだ!?


 訳が分からないぞ!


 って、もしかして、これって俺が書いたものなのか?


 うーん、覚えがないなぁ。



「この大マヨ王というのが『キミすアブラ』の責任者なのかな?」


「王総理将軍、どう思われますか!?」

「王総理将軍、お答えください!」


「え~、その可能性はありますが、キチンと調査した方が良いと思います」


「そうだな。では、忍者たちに調べてもらおうか」


「今日はお休みでるざご」


「はいはい、分かっているよ。また明日な」


「休みの日まで仕事の話でるざごか」

「ブラック企業はひどすぎるでるざご」


「悪かったな!」



「ダァンサービオさん、そろそろ出掛けた方が良い時間でアリマスよ」


「えっ、ああ、そうだな」


 『最強新人帰宅部員決定戦! ハイパー帰宅部スペシャルファイト!!』を見に行かないとな。


 では、出発するか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る