第80話 お料理決闘開幕

 次の日。


 目が覚めた俺は、カーテンを開けた。


 ああ、今日も良い天気だなぁ。



 さて、支度をしようか。


 身支度を整え、朝食を取った。


 そして、自室に戻って来た。



「おはようでちゅ」

「「おはようでるざご」」

「「おはようございます」」

「え~、おはようございます」


 官邸のメンバーが、全員城から出て来た。


「ああ、おはよう。今日は全員そろっているんだな」


「王総理将軍、これはどういうことなのですか!?」

「王総理将軍、お答えください!」


「え~、ただの偶然です」


「そうなのか」



「ところで、今日はイベントがふたつあるらしいでちゅね」


「ああ、そうなんだよ」


「なら、今日は仕事は休みでちゅ! みんなで見に行くでちゅ!!」


「えっ、なんでだよ? 有識者には頼みたい仕事が、たくさんあるのだが」


「みんなはイベントに行くというのに、僕様だけは仕事しろと言うのでちゅか!? ひどすぎるでちゅ!!」


「まったくでるざご!」

「ブラック企業滅ぶべしでるざご!」


「王総理将軍、どう思われますか!?」

「王総理将軍、お答えください!」


「え~、たまには休ませてあげてください」


「はいはい、分かったよ。じゃあ、みんなで見に行くか」


「そうするでちゅ!」


「では、出発しようか」


 俺たちは家を出た。



 キミすアブラの近くで、野外ステージを見つけた。


 かなり大きなステージだな。


 ステージの上には、調理台や調理道具が置いてある。


 ここで『残虐ざんぎゃく闇黒あんこく料理決闘りょうりデュエル』を行うのかな?


 周囲には、観客と思われる人たちがいる。


 かなりの大人数だな。


 しかも、老若男女を問わず集まっているようだ。


 このイベントは、そんなに人気があるのか?


「おはよう、ダァン」

「ビオさん、おはようございます」


 キイネーゼとシエーウユがやって来た。


「ダァンサービオ様、おはようございますわぁ」

「おはようございますゥ」


 シルゥーカとセゼネーキもいるのか。


 ダイマオウ討伐同好会も勢ぞろいだな。


「おはよう、みんな」


「そろそろ始まるみたいよ! さあ、ステージの近くに行きましょう!」


「ああ、そうだな」



「ハイパーマジッククリエイターが、四人の美少女に囲まれてるっぴ! いいご身分っぴ!」


 大魔法使いレシンテ・ソノボアルがそう言った。


「色狂い送りおおかみは浮気者でござる!!」


 賢者レーロナネ・ウーマヒグがそう言った。


「さすが究極超獣きゅうきょくちょうけだものねぇ」


 悪魔トーネベワ・ガコホゲスがそう言った。


 うるさい連中だな!


「ああ、雄々しき一本槍いっぽんやりの傑物が、四方から刺されるのです……」


 付喪神セームハ・エヒツがそう言った。


 なんでそうなるんだよ!?

 不吉なことを言うなっての!!



「お集りの皆様、お待たせいたしました! ただいまより『残虐ざんぎゃく闇黒あんこく料理決闘りょうりデュエル』を開始いたします!!」


 ステージ上にいる、ショッキングピンクのタキシードを着た、小太りスキンヘッドのおっさんがそう言った。


 あの人が司会者なのかな?


 なんだか食べるのが好きそうだな。


 まあ、そんなのどうでもいいか。



 周囲の人たちが、いっせいに拍手をし始めた。


 結構盛り上がるんだな。



「それでは選手の入場です。まずは『そーっすね』の皆様どうぞ!」


 ステージ上に、トマトソースみたいな色のコック服を着た五人組が現れた。


 全員筋骨隆々の中年男性だな。


 なんだか頑固一徹な職人って感じがする。


 ん?

 全員黒い前掛けをしていて、そこに白い文字が書いてあるぞ。


 『ソース派』『ソース派』『味噌みそ派』『醤油しょうゆ派』『塩コショウ派』!?


 おい、どういうことだ!?

 お前ら、ソース料理専門店の人間なんだろ!?


 裏切り者がいるじゃないか!?


 あいつら大丈夫なのかよ!?



「続いて『キミすアブラ』の皆様どうぞ!」


 ステージ上に、七人組が現れた。


 マヨネーズみたいな色のコック服を着た筋骨隆々の中年男性が五名いる。


 こちらも頑固一徹な職人って感じだな。


 あとはクラシカルな黒いメイド服を着た美女が二名いる。


 あのふたりは接客をやっていた人だな。


 こちらも全員赤い前掛けをしていて、そこに白い文字が書いてあるようだ。


 『白味噌しろみそ派』『赤味噌あかみそ派』『合わせ味噌みそ派』『味噌みそラーメン派』『味噌みそラーメン派』『味噌みそラーメン派』『何もかけない派』だと!?


 おい、マヨネーズ派はいないのかよ!?


 しかも、味噌みそラーメン派が三人もいるし!?


 それで良いのか、マヨネーズ料理専門店!?



「続いて、審査員の入場です。どうぞ!」


 中肉中背の中年男性。

 赤いモヒカン。

 白いネコミミ。

 黒いサングラス、黒いタキシード、黒い革靴を着用。

 白い文字で『調味料いらん』と書いてある青い前掛けをしている。


 中背小太りの老年女性。

 白髪ショートヘア。

 派手な赤いドレスを着用。

 白い文字で『ワサビ醤油じょうゆ派』と書いてある青い前掛けをしている。


 体格が非常に良い中年男性。

 スキンヘッド。

 黒いサングラス、黒いブーメランパンツ着用。

 白い文字で『プロテイン以外いらん』と書いてある青い前掛けをしている。


 スタイル抜群の美女。

 金髪のロング。

 白いビキニ着用。

 白い文字で『ダイエット中』と書いてある青い前掛けをしている。


 仙人のような老人。

 小柄。

 スキンヘッド。

 白く長い眉、白く長い口髭くちひげがある。

 白いローブ着用。

 白い文字で『かすみしか食わん』と書いてある青い前掛けをしている。


 このような姿の五人組が、ステージ上に現れた。


 また妙な連中が現れたなぁ。


 あいつらは、いったい何者なのだろうか?

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