ハンバーグ
「あなたの好物のハンバーグ作ったの。食べてみて。」
口に入れて咀嚼する。
「おいしい?」
「おいしい訳ないじゃん。ニンジンも玉ねぎもでかいし肉も捏ねてないよね。ハンバーグじゃないよ。」
彼女の目から大粒の涙が流れる。彼女は手先が不器用だ。
そしてそもそも僕の彼女じゃない。
「もっと頑張るから、待っててね。」
そう言って女は這いずるように僕の部屋から去っていく。どうすればいい加減諦めてくれるのだろうか。
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