スキルを与えすぎて神界を追放されました

桜庵

プロローグ

いくさ…始まっちゃった…。

こっちの人達負けそう…。


そうだ!人々にスキル『防御特化』を付与!

効果は魔法による特殊攻撃をはじくものとします!」


『な、急に敵が強くなったぞ!!

どういう事だ!!

こっちの攻撃がはじかれて、仲間がやられた!!

回復しないとマズイぞ!!』


『なんだかわらんが、相手の攻撃が効かなくなった!

一気に攻め込むぞ!!』


「わわ?!

一方だけが強いと、やられて世界の均衡が崩れちゃう!!


ど、どうしよう!

えっと、こ、こっちの人達には『超回復』と『攻撃特化』を付与します!

効果は物理攻撃に特化して、どんなケガも治すものとします!


攻撃が強くて、超回復があれば大丈夫だよね…。」


「何を…やっているのだ…おぬしは!!


そんなスキル付与のやり方があるか!!


見てみよ、下界を!!

ただでさえ、大きないくさが始まっておるのに、むやみやたらにスキルを付与するでない!」


「ですが、アマノ様!

このいくさ止めないと!


それに、一方がズタボロに負けて終わるなんて、そんなの嫌です!」


いくさとは、いずれは一方がズタボロで負けるものなのだ…。

そんな甘い事を言っていられるものではない…。」


「…私が造った大地を…血で汚すなんて…許さない…。

地震を起こして止める…。」


「……マツリカちゃんの地震でいくさは止まったようだけど…。

無残ね…。」


「……サザンカ…スキル付与の結果を…自分の目で確かめよ。

これより、サザンカのエネルギーや能力を没収し、下界へと強制追放する!」


「な、なんでですか!?


追放までしなくてもいいじゃないですか!!

地球にあるファンタジーの物語の神々は、スキルをバンバン与えているのに!

それで無双する人だっているのに!


私だけ追放って……ただ仕事をしただけなのに!!」


スキルの生成・付与を担う女神サザンカ。

彼女は己の仕事をしただけなのだが、最悪の事態を招いた事により、創造神のアマノミコトによって神界を追放されたのだった。


事の発端はこの世界…星の誕生からである。

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