エネルギーの保管(前編)
神々は、話し合いが終わった後、各々が創造した家で過ごし、朝を迎えていた。
サザンカもその内の一人で、自室で朝を迎え、出かける為の支度をしていた。
この後、アマノミコトの住居である
サザンカが準備を終え、家を出ると、
「おはよう!ザクロ!よく眠れた?」
『おはようございやす!サザンカ嬢ちゃん!ばっちりですぜ!』
「ふふっ、よかった!でも、ごめんね?ちゃんと家を造れなくて…。」
『しょうがないですぜ。
昨日は皆さん、力を使い過ぎてやしたんで。
いくらエネルギーが回復すると言っても、力を使うにはそれなりに体力がいるのは当然の事でさぁ。
それに、外の寝心地は案外快適でやした!
(生みの親ではあるが…部屋の中で水の中の生物がすごく動くから、嬢ちゃんの部屋は落ち着かねぇでさぁ…。)』
「今日には家を造ろうね!どの
『おぅよ!よろしく頼むぜ、嬢ちゃん!』
二人は、
そうして足を
サザンカや
『お?
椅子が…あっしの分もありやす…。』
「うむ、先ほど作っておいたぞ。
会議の時はぜひ参加して欲しい。
まぁ、雑談がほとんどだとは思うが…そのためには椅子などが必要であろう。」
『アマノ
へへっ…嬉しいや。』
アマノミコトと
そんな雰囲気の中、アマノミコトは
「さて…少し気になった事があるのだが…。
この世界に満ち溢れるエネルギーの事だ…。
今は、サザンカが下界に造った桜の木の形となって存在をしているが、それはまだ一部で、全回復とは言えぬ。
このまま全回復して星中に満ちると、万物がエネルギーを直接浴び続けると言う事になる。
そうなれば、均衡が崩れるやも…。」
「人や動物を造った時…エネルギーに耐えうる強靭な体になるように造っていないわ。
それは、そこまで考えていなかった私達の失態だけど…。
今後、エネルギーを強く浴びてしまったがために、体が耐え切れず、エネルギーにむしばまれ、命を落とすかもしれない…。
そうなれば、均衡が崩れる…。
その解決策が必要…と言う事ですね、アマノ様。」
「うむ。
マツリカの言う通りだ。」
「なるほど~。」
「さっすが、マツリカちゃん!
分かりやすくまとめてくれてありがとう!
でも、困ったわね~…。」
「あの~…私が万物に、エネルギー耐性スキルを付与すればいい…のでは?」
『それだと、嬢ちゃんの負担が心配になってくるってもんよ。
これから人や動物は繁殖、繁栄し続ける。
何千、何万と数えきれないくらいに…。
一体一体にスキルを付与していったら、この星のエネルギーや嬢ちゃんのエネルギーがいくらあっても足りねぇですぜ。
それに、エネルギーの使い過ぎは嬢ちゃんの体にどんな影響があるかわかったもんじゃねぇ…。
身を削ってまでやる事でもない気がしやす…。』
「そうねぇ~。
厳しいこと言ってるように聞こえるかもしれないけど…。
そうまでして付与する物なのかしら…スキルって…。」
「………。」
星に満ち溢れるエネルギー。
そのエネルギーから生まれた神々は自分の源となるもの
そのせいで、強いエネルギーを浴びると命を落とすかもしれない。
その解決策をサザンカが提案するも、ベロニカや
さらにいい案がないか各々考えるが、眉間にしわを寄せたまま、誰一人として口を開こうとしなかった。
幾分そうしていた事だろうか。
サザンカがパッと思いついたように顔を上げ、はきはきした様子で口を開く。
「あの!
下界にあるエネルギーの塊の桜の木!
あの木を神界にも造るのはどうですか?!
神界と下界で桜の木を繋げて世界に循環させるんです!」
サザンカの案に
「それ…いい案かもしれない…。
下界にある桜の木、神界にある桜の木…どっちもエネルギーの塊として保管…管理する。
もし、それでも溢れ出てしまうのなら…下界の桜の木の根元から大地を通って、星全体を循環させる…。
神界の桜の木も…大きいのを多めに造る…と言うのはどうでしょうか…。」
『マツリカ
「たしかに…。
でも、サザンカちゃん…時々鋭いのよね…。」
「うむ…。
見事な案だ…。
天と陸はマツリカの管理だが…。
仕事が増えるのではないか?」
「そう…ですわね…。
私の力…今朝起きたら、天と陸に関する異変がある程度頭に入ってくるように一部性質変化していますの…何かあればすぐに気づけるはず…。
この程度の管理なら問題ないですわ。」
「そうか…マツリカが大丈夫なら、よいのだ。
サザンカとマツリカの案を採用しよう。」
「あ!マツリカお姉様!
神界にエネルギーの塊の桜の木を造るなら、私の
それをエネルギーの循環に使う…とか…どうでしょうか…。
そうしたら、
私じゃ、自然は造れないので、お姉様にお願いしたいのです。」
『嬢ちゃん…。
マツリカ
「わかったわ。
桜の木…渓谷に造って、渓谷の上部の方に植物で
マツリカの言葉に、嬉しそうにアイコンタクトを交わすサザンカと
話しがまとまり、さっそく皆は外へ出て実行に移す事にしたのだった。
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