サザンカの創造したもの(前編)
サザンカは、集まってきた動物達に何か出来ないかと考えた。
「私よりも背が低い動物さんもいる…。
人用を上げる訳にもいかないし…。
そうだ…人以外の動物さん達のは、私が造ろう。」
サザンカはそう
「さ、動物さん達、あの木の実をお食べ!
感情~…は、マツリカお姉様みたいに上手く組み込めなかったけど、知識は必要分は入れたからね!
………私が造った木の実だから、どこまでの知識があるかわからないけど…。
でも、味は大丈夫!美味しく造った!」
『……嬢ちゃん…そんな
「うっ…だって…知識は私より、マツリカお姉様の方が上だもの…。
にしても…動物さん達…動いてくれない…。」
『いや、そう言う意味では...
それに、動物が動かないのは違う理由が...
あ!ちょっと、あっしが行ってきやす!』
少し離れた所から様子を見ていた
事情を聞いた
それを見た動物達は、木にゆっくりと近づき、同じように枝をつついたり、枝を折ったりして実を口に運んだ。
その場の動物達が皆が実を食べ終え、顔を上げると、さっきまでとうって変わり、目つきが違っていた。
場の空気が穏やかなものから一変し、動物達はお互い、一触即発の緊張状態と化していた。
『(これは…弱肉強食が今にも始まりそうだぜ…。
嬢ちゃんの仕事がまだ終わってないのに、いけねぇ…。)』
そう思った
「
『へへっ、よせやい。
さ、嬢ちゃん、今度は嬢ちゃんの番ですぜ。』
周りの人達にも食べてもらおうと、サザンカは木の実を一つ一つ木から取り、その場の人達に渡し、身振り手振りで食べるように促す。
その行動が伝わったのか、サザンカから木の実を受け取った人達は木の実を口に運んだ。
その様子をサザンカは安堵した様子で見ていたが、
『嬢ちゃん、嬢ちゃん…このままだと、なんかマズいですぜ…。
とりあえず、あっしに掴まってくだせぇ。』
サザンカが自分の体を掴んだのを確認した
「わぁーーーー!!!
孔雀さん!待ってーーーー!!!
全力疾走待ってーーー!!!
せめて、せめて飛んでーー!!」
『おっと、すまねぇ……そら!!』
その一瞬の猶予が出来た事で、サザンカは
『嬢ちゃん…さっきの木なんだが......。』
「あ!他の動物さん達用にも造ったほうがいいよね!
たぶん、あの量だけじゃ、食物連鎖が起きると、生き延びる動物さんが少ない気がする!」
『お、おぅ...まぁ、そんなところでさぁ...。
(嬢ちゃんのこのキラキラした話し方...言いづれぇですぜ。)』
「それにしても
『動物の感…と言うか、本能…と言うものでさぁ。
ところで、この後はどうするんでやす?』
「んー…じゃぁ…あの先に見える、大きい桜の木に行ってみたい!
私が造った桜の木なの!!」
『がってんだ!』
サザンカと
その間、サザンカは大地のあちこちに手を伸ばして創造の力を発動させ、先ほどのように動物達用に木の実を創造していた。
「(あれ…木の実って…植物…だよね。
植物は
どうして私…木の実を造れるんだろう…。)
そういえば
それに、私が造った木の実を食べる前から知識があったように見えたんだけど…。」
『あっしはこの地にいる動物達と違って、嬢ちゃんが直接生んでくれたから、知識も感情も組み込まれてるんですぜ。
いわば…嬢ちゃんのつがい…と言うやつだな…へへっ…。』
「やだなぁ、
『いいノリツッコみ!
はっはっは!!!
そういや、嬢ちゃんの食べた赤い木の実はどんな味がしたんでやす?
あっしは、甘さの中に渋さもありやしたぜ!』
「私のは甘酸っぱかったよ!!
今後の食事もどうにか考えなきゃ。
私達は食べなくても死なないんだけど、味覚があるから、どうせなら美味しいもの食べたいしね。
(あとで皆と相談しよう!!)」
サザンカと
「……何…これ…なんで…。」
桜の木、サザンカはそれを創造したはずだったのだが、目の前にそびえ立つのは似て非なるものだった。
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