魔法少女のお願い
第24話 女子中学生に性欲を向けられる女子大学生
桜さんは慌てて立ち上がった。虚空からステッキを呼びだしたかと思うと、おもむろに変身した。アニメでよくあるように白く発光して、ボディラインが露わになる。全裸を見られたにも関わらず、変身しながらも恥ずかしそうに体を隠そうとしていた。
パステルカラーのひらひらしたドレスを纏った桜さんに睨みつけられる。
「ついに正体を現しましたね!」
「ご、ごめん。でも倒れたみたいだったから心配で……」
「魔法少女は寿命以外では死にません! ただ私の裸を見たかっただけでしょう?」
「……うっ」
確かにさっきちょっとだけみた桜さんの裸は思ったよりも魅力的だった。だから下手に言い返せないのだ。
桜さんは腕を組んでいたけれど、それを解いて恥ずかしそうに私の手を掴む。
「でもそんなに見たいのなら、特別に私と一緒にお風呂に入ることを許可してあげます!」
そう言いながら、桜さんは私の胸元をちらちらとみていた。慌てたせいで服が肩からずり落ちて、ブラがみえてしまっているのだ。気付かれていないと思っているのか、ちらちらの頻度が低くなって次第にじーっと私の胸をみつめてくる。
私はなんだか恥ずかしくなってきて、両手で胸元を隠す。その途端、桜さんは悲しそうな顔になる。でも隠すのをやめると、ちょっと嬉しそうになってさらに熱っぽい視線でじーっとみつめていた。
「……あの、桜さん」
「なんですか?」
私が呼びかけると桜さんはさっと視線をただした。桜さんは結構えっちなのかもしれない。でも指摘するのもなんだか恥ずかしいから、何も見てないことにする。
「お風呂、ゆっくり入って大丈夫だから。今日、疲れたでしょ? それじゃ私は戻るね」
私は背中を向けて脱衣所を出ていこうとした。すると桜さんは突然私の肩に手を置いて、引き留める。
「わ、私の裸勝手にみておいて、自分のは見せないつもりですかっ?」
振り返ると桜さんの顔は真っ赤になっていた。
そんなに私の裸、みたいのかな? でも私は汚い。やけどの痕がひどくて、きっと桜さんはがっかりするはずだ。だから見せたくなんてない。
「ごめんね。それ以外のことなら何でもするから」
「……なんでも?」
桜さんが熱っぽい視線で私をみつめてくる。
ん。なんか間違った気がする。でもなんでもって言って、本当になんでも頼んでくる人を私は見たことがない。だから大丈夫だろう。桜さんは多分良識がある側の人だと思うし。
「うん。なんでも。だから裸はごめんね?」
「……わ、分かりました。何を頼むのかお風呂の中でよく考えておきます」
桜さんは顔を真っ赤にしている。もしかして、なにかいやらしいことを考えてるの? いや、流石にだめだよ? えっちなことは。合意があったとしても十五歳の女の子とそんなことするのは犯罪だし……。
それにしても桜さんは何を私に頼んでくるのだろう。なんだかもんもんとした気分で、桜さんがお風呂から上がって来るのを待った。
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