第113話 魔石コーティング
本日の討伐はオークキングから。
サクッと倒した。
オークって王様が何人いるんだと思わないでもない。
が、オーク100体でもキングが生まれるそうだ。
地球の人口から考えると、異世界にはオークが1億いてもおかしくない。
となるとオークキングは100万はいることになる。
そりゃ枯渇しないよな。
宝物は、仲間呼びの笛。
登録しておいた仲間にだけ聞こえる。
ぶっちゃけ要らない。
次の討伐は、ランドオクトパスだった。
サクッと倒した。
出た宝物は、導きの針。
簡単に言うと方位磁針。
要らないな。
今日はハズレばっかりだ。
討伐を終え、事務処理片付け、昨日約束した船のドックがある横浜まで、電車で移動。
「ようこそ。田浦造船所に」
「時間は貴重だ。さっさとやろう」
案内されて船のドッグに入る。
船を近くで見るとすごい迫力だ。
ここも室内扱いされるよな。
「【リフォーム】」
船が魔石でコーティングされていく。
魔力が切れたので祈りの像から補給。
一時間ほどで、作業は終わった。
赤い魔石の船は、何となく禍々しい。
「やつらの死神になってやりますよ。砲弾のコーティングもお願いします」
砲弾にも魔石コーティングを施した。
よく考えたらライフルの弾もコーティングだと安上がりだな。
中まで魔石じゃないと頑丈さで劣るが、廉価版を作るなら、魔石コーティングでも良い。
リフォームスキルを付与した人間に、内職で作らせるのも良いかもな。
それと銃身も魔石コーティングできるな。
開発は誰かに任せよう。
辻堂辺りがいいかもな。
畑違いだが、プログラミング作業は人の管理のノウハウもある。
帰ったら電話してやろう。
爆弾の中の鉄球もコーティングした。
対モンスター用手榴弾作れるな。
危なくて免許制になりそうだが。
魚雷もコーティングした。
こっちのコーティングはめんどくさかった。
全体をコーティングすると爆発した時に、バラバラにならないからだ。
頑丈なのも困りもの。
船が出航する場面を見て、無事に帰れよと見送った。
ゴインと音が船の脇にプカリとモンスターが浮かび上がったのが見える。
魔石コーティング大丈夫だよな。
船は何事もなく進んでいく。
魔石コーティングの事業は儲かる。
契約魔法で付与スキルを殺せるから、他社の仕事は請けないという契約なら独占できる。
魔石コーティングの船で、海を行き来できれば外国との貿易も盛んになる。
独占するには美味し過ぎる商売だ。
討伐の宝物はハズレだったが、こっちは大当たりだ。
「もしもし、
『大丈夫です』
「魔石コーティング事業をやれ」
『畑違いも良いところですよ。むちゃ言いますね』
「何兆と儲かるぞ」
『そんなに。ぐへへっ。これで銀座で豪遊できる』
「遊びはほどほどにな。ところで、魔石コーティング事業やるよな」
『やります。やらせて下さい』
「契約魔法のスキル持ちをまず確保しろ。そいつには金を惜しむなよ。そいつが法を守れるかが、かなめなんだからな」
『分かってます』
「リフォームを付与する奴は学生や主婦、何でもいい」
『とりあえず引退したプログラマーに声を掛けてみます』
「結婚して辞めた女子社員とか、時代に付いていけなくなった奴とか色々といるからな」
『ええ』
SLEは魔石コーティングの会社になってしまうな。
それも良いだろう。
儲けた金を思考入力OSの開発費につぎ込ませよう。
何年か後が楽しみだ。
思考入力の風評被害もどうにかしないとな。
名前を変えるか。
思考入力じゃまんまだもんな。
サイインプット、うーんダサいな。
シンキングイン、これもダサいな。
ソーツシステム、もうこれにしよう。
思考入力の名前を変えませんかと、ウルトラソフトウェアにメールを送った。
それ、こちらから提案しようと思ってたのですよと返事がきた。
名前を変えると同じ物でも騙されたりするんだよな。
詳しく調べる奴は少ない。
上手く騙されてくれると良いのだが。
探偵から電話があった。
秘密クラブは乱交パーティの売春が行われているらしい。
俺からのメモをパパになってくれると勘違いして電話を掛けてきた女子高生がいた。
そこからの情報だ。
だが、女子高生は馬鹿なのか10万円で喋ったようだ。
中にいた人間もだいぶ分かった。
一網打尽にできる美味しいネタ。
ゆっくり攻めよう。
だが、中は抜け道も用意されていると情報が。
警察が来たらそこから逃げろと言われていたとのこと。
ただ、男達の抜け道は別にあるようだ。
それは教えて貰えなかったと女子高生が言っていた。
そうだろな、かなり用心深いはずだから教えないはずだ。
抜け道は押さえたいな。
こういう時にマッピングスキルがある。
後で藤沢に頼もう。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 22,264万円
上級ポーション2個 606万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
魔力買い 508万円
金貨56枚 644万円
安らぎのテント 8万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 508万円 24,032万円 23,524万円
パーティ収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 46,097万円
オークキング 67万円
仲間呼びの笛 1万円
ランドオクトパス 115万円
導きの針 1万円
弾丸60発 6万円
弾丸用魔石 150万円
付与魔法依頼 50万円
魔力買い 221万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 336万円 46,281万円 45,954万円
ファンド収支メモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資8489口 848億9千万円
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 208,228万円
カイザーウルフ60体 4,500万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
エレファントスレイヤー12体 1,440万円
オーガ96体 5,280万円
弾丸製造 500万円
酒 12万円
転移輸送 807万円
最下級ポーション 513万円
くず鉄20トンほど 203万円
シャイニングストーン 1,128万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 226,007万円 226,007万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -48億円
出資金 125億円
2階層から出た安らぎのテントは、疲労回復効果が付いていて良いんだけど、地味だ。
栄養ドリンクを飲んだぐらいしか、回復しないというのも、高値が付かなかった理由だ。
コピーできればヒット商品にはなるんだろうけど、その場合もそんなに高値で売れない気がする。
俺達の装備は。
俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形 祈りの像 ミスリルのシャツ カモシカの足
キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖
反射の盾×2 衝撃の盾 浮遊の靴 収納の壺 蛸の手 眠りのオルゴール
金剛糸×2 オリハルコンの縫い針 熊の爪
仲間呼びの笛と導きの針はがっくりだった。
商品価値が魔道具だということ以外にない。
1万円でよく売れたものだ。
導きの針は磁場が狂った土地とかでも使えて、仲間呼びの笛は電波の通りの悪い所でも使えるが、それだけだ。
限定条件でしか役に立たない。
これもコピーできればヒット商品なのだろうな。
高値は付かないが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます