チート能力を手に入れたのでとりあえず好き放題していくお話

@jam05241

第1話:寝床での出来事

 オレの名前は肝太太男きもたふとおだ。ちょっとした事がきっかけで仕事を失い、住む場所も失ってしまったホームレスの男である。実は今日は30回目の誕生日を迎える日で本来なら両親が待っている実家へ帰る事にしていたが、当然、お金に余裕が無いので帰れるわけもなく一人寂しくテントを張って都内のある公園で一夜を過ごしていた。


「・・・。ください!」

「ん?何だ!?」

「大丈夫ですか?目を覚まして下さい!?」


 オレが眠りに付いてしばらく経った時、誰かがオレに話しかけて来た。せっかく眠りに付いていたのに目を覚ましやがって!!


「このままだとアナタ、本当に死にますよ?」

「はぃ?」

「見てください!今の『アナタ』の状態を!!」


 オレは自分自身の姿を自分で確認して驚いた。確かにテントの中で寝ていたはずなのに、自分で自分の体を確認できるのだ。


「この状態ではアナタは本当に死んでしまい、魂だけの状態になるでしょう」

「もともとお金も無かったし、体も健康じゃ無かったからいつ死んでもおかしくないかもな・・・。」

「そう思っているなら私の手助けはココまでですね!」

「アンタ・・・、いったい何者なんだい?」


 話を聞けばどうやら白い衣装を身にまとった女性は閻魔様の使いてらしい。人生100年時代と言われている今、まともに人生を送れる事無く死んでいくオレの姿を見て、オレにある力を授けてくれるのだと言う。


「その力を使えば本当にオレはこの世界を思う通りに出来るのか?」

「えぇ・・・!!」

「オレがどんな行動をとっても周囲の人間も怪しむことは無いんだな?」

「もちろんです!『アナタ』が再び生きる希望を抱き、この世界に君臨しようとする意志があるならこの力はアナタの物です!!」

「どうせこのまま死んでもつまらないだけだ・・・。騙されたと思ってその力、ありがたく頂戴する事にするよ」

「それでは再びアナタの魂をアナタの体へ戻す作業を行います。後は、アナタのお好きなように・・・。」


 そして再びオレは目を覚ました。その時、先ほどいた白い衣装を身にまとって閻魔様の使い手と思われる美人な女性はオレの前から消えていた。恐らくオレと契約が出来た事で、満足してあの世へ帰ったのだろう。

 

 その後、オレは力が本物であるかどうか確認するため近くの路上を散策し、オレ好みの女を見つけたので後ろから抱き着いて胸を揉みしだいてみた。普通ならすぐに警察に通報される所だが、その女はオレの行動に気付く事無く友達と思われる女と会話しているじゃないか!!


(ひょっとして閻魔がオレにくれた力はこの事か?だが、これだとちょっと詰まらないな!!この2人の女がオレに逆ナンしてくるように魔法をかけてみるかな?)


 その途端、2人の女性の動きがピタりと止まった。

そして2人がオレに近寄ってきて・・・。


「あの・・・。じっと見ているだけじゃ物足りないですよね?」

「ホテル代、私達が出しますので一緒に楽しみませんか?」


(マジかよ・・・。オレのこのテレパシーが届いちゃったよ!!)


 つまり、オレは周囲の人間に対して、オレが思うがままに自由に常識改変や催眠、時には幽体離脱して憑依する事が出来たりするチート的な能力を手に入れてしまった訳だ。


「実はオレ、ホームレスなんだけど大丈夫?」

「私たちは肝太きもた様の為にご奉仕するのが常識なので、ホームレスだったとしても関係ございませんよ!?」


 オレの質問の仕方が悪かったか?逆に彼女たちに誤解を招いてしまったようだ。

今の彼女たちはオレにご奉仕するのが当たり前だから、終始、笑顔でオレをもてなしてくれる。


「ホームレスの方の体、初めて触りましたけど、癖になりそうです」

「1か月も風呂に入っていないから、早くお風呂に入りたいゼッ!!」

「じゃあ、私達がこの後たっぷりご奉仕してあげますね?」


 オレは飲み屋街の路上で出会った2人の女性にご奉仕され、久しぶりに身も心も綺麗になる事が出来たのでちゃんとお礼を言わなきゃならない。


「お前らなかなかいいプレイ内容だった。また、ヤリたくなったら連絡するから連絡先よこせ!!」


 その後、オレは二人の女性に対して溜まっていた性欲を思う存分発散させた。翌朝、彼女たちを部屋に残して初めて味わった高級ビジネスホテルを後にするのだった。


(この力が本物だと確認された以上、この世界の権利は全てオレが握るのだ!!)


こうしてオレの新しい人生が幕を開けた。

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