第25話 鬼女アルケニーの断末魔

「おのれー!聖騎士どもォォ!!」


バキバギバキバギッ!!!



アルケニーは巨体化して、店を跡形もなく破壊する。


あ!インド人家族が!

白髪のおっさんが!


瓦礫と化し血溜まりとなる元的場屋。


「貴様ぁぁ!行くぞ!制多迦!」

「はい!金剛棒!」


制多迦童子のなった拓海は金剛棒を構える。

金剛棒は光りを帯びて輝く。


「三鈷剣!」

ソウルパワーを練り、俺も又三鈷剣を青白く光り輝く剣に変える。


「こしゃくなあぁ!」

アルケニーは腹から小さい子供の顔した蜘蛛を孵化させ飛び出させる!


その小さい蜘蛛は、体中に纏わり付き毒針を注入していく。


「ぐわぁー!」

まだ化身したばかりの拓海はまともに毒を受けてしまっている。


「拓海!いや、制多迦童子!自身を信じよ。ソウルパワーで浄化させるのだ!」

俺は内なる魂を信じよと激を飛ばす。


「パパ!オッケー!憤怒!」

体中から赤い炎が上がる!


メラメラ……

メラメラ……


「キュニー……」

「ググゥ……」


ボボボッッ!!


炎は蜘蛛を燃え付かせ、焦げていきながら、やがて金の粒子となり天へ登っていく。


「我が子だぢぃぃ!よぐも……よぐもォォ!」

鬼女と化したアルケニーは顔も醜悪な鬼の顔と化し目が7つの複眼ととなり、大きな牙でこちらに向かってくる。


「制多迦!同時に斬るぞ!」

「はい!」


目と目で合図し、左右に散る!


俺は一瞬の隙を突いて波動スラッシュをかける。


ヒュンッ!


スパッ!


「ギャーーー!!」

波動スラッシュは奴のまぶたを掠る!


今だ!


「ハサーーンクラッシュ!!!」

「制多迦ブロークン!!」


力一杯、光り輝く金剛棒で制多迦童子が殴りつける。


目が飛び出て鼻からめり込むアルケニー。


その後に俺が袈裟斬りに、アルケニーを斜めから切り捨てる!!


「し、シビレーーーッッ!!」


爆発して雲散霧消するアルケニー。

キラキラと黄金の粒子が天上へと浄化し登っていく。



    ◆◆◆◆◆◆

色味が戻る。

元の世界に戻ると元の的場屋の店舗が戻る。

インド人家族も白髪のオジサンも元気だ。


お会計を済ませて元の人間体に俺と拓海は戻り店を出る。


意外だった。

後悔してる。



金色の実と青色の実は周りの人間を覚醒させる効果があるようだ。


何て事だ。

子供は巻き込みたくなかったのに、ハサンの系譜として覚醒させてしまった。


父だけの闘いにしたかった。


ピーニの姿もケルベロスの姿も拓海は見れるし会話出来るようになった。


親の心配を余所に拓海は、「ピーニさん可愛い!ケルベロスの毛はモフモフ!」なんてウキウキしてる。


良かったのかな?


取り敢えず早く邪神を倒さなくては。

阿修羅神復活を、阻止しなくては。


そう誓う俺だった。


次回へ続く

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