主人公視点

 今日も今日とて、僕は彼女に話しかける。



「そういえば……りんさんの誕生日っていつ?」首を傾げられたので、そのまま続ける。「できれば……お祝いしたいなって思って」

「✕✕✕✕✕✕……」【よくぞここまでたどり着いてくださいました。コンセントです】


 ……


 ……?


「えーっと……その、ありがとう?」

「✕✕✕✕✕✕……」【私はコンセントによる対抗馬は見つかりません。したがって、またしても】


 ……


 ……?


「こ、コンセントを探してるの? あ、スマホの充電器?」

「……」

「前のほうにコンセントはあるけど……今は他の人が使ってるね」

「……✕✕✕✕✕✕……」【根絶やしにしてください】

「そ、そんな充電したいの……?」

「……✕✕✕✕✕✕……?」【鍔迫り合いにござる。私はござる】

 

 ……


 ……?


「ご、ござるさん……?」

「✕✕✕✕✕✕」【ござるではなく、ござるです。私はござるではありません】


 ……


 ……?


「✕✕✕✕✕✕」【ござるによって私のござるは、ござる】


 ……


 ……?


「……?」

「……?」


 ……


 ……?

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